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時代を見通す日本の基礎情報

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「弾丸ツアー」は御法度か? W杯観戦は危険がいっぱい

「王国」ブラジルで64年ぶりに開催されるサッカー・ワールドカップ(W杯)が、まるで欠陥だらけの航空機のように不安定だ。競技場の工事は開幕ぎりぎりまで続けられ、汚職や公費の無駄遣いが明るみになり「反ワールドカップ運動」まで起きている。ブラジル開催が決まったのは2007年10月。少なくとも当時は成長のまっただ中にあった。しかし、この国を取り巻く状況は一変した。さまざまな社会矛盾を抱えるブラジルで現地観戦するサポーターにとっては危険回避の知恵と工夫が必要だろう。

現地到着までに丸1日

 「98年のフランス大会のときもワールドカップ反対のデモを目撃したけど、さすがにブラジル人がそれをやると国際的なインパクトが桁違い」

 サッカー通で知られるコラムニスト、山崎浩一さんが専門誌「サッカー批評」でブラジル社会の裏面をあぶり出し、ファンに向けて「今回は弾丸ツアーはやめておけ」と警告した。4年に一度のW杯の季節がやってくると、メディアをにぎわす弾丸ツアーだが、今大会ばかりは聞かない。地球の裏側のブラジルに日本からの直行便はなく、米国の各都市(ニューヨーク、デトロイトなど)や欧州経由で入国するため、最低でも丸1日(24時間)はかかる。

 日本の国土の22.5倍という広大な国土面積。実は入国してからが厄介なのだ。玄関口・サンパウロから日本の試合が行われる3都市(レシフェ、ナタル、クイアバ)に行くには国内便に乗り換えることになるが、乗り継ぎ便の遅れは日常茶飯事。機中泊だけの「弾丸ツアー」は事実上、困難なのだ。
「ファベーラ」と呼ばれるスラム街で警備に当たる警察官。犯罪の温床に目を光らせる=リオデジャネイロ(共同)

「ファベーラ」と呼ばれるスラム街で警備に当たる警察官。犯罪の温床に目を光らせる=リオデジャネイロ(共同)

一方、12日のW杯開幕に向けて、現地ホテルは異常な高騰を続けてきた。期間中、高級ホテルの客室は長期滞在者で押さえられ、1日だけの宿泊はまずできない。昨年6月、ブラジルで開催されたコンフェデ杯を企画した中南米専門の旅行会社によると、観戦ツアーに参加者が集まらず、中止に追い込まれる旅行パックが相次いだという。12時間に及ぶ時差や高額な旅行代金を考えると、ふだんは熱狂的なファンも腰が引けるようだ

冷めるサッカー熱

 ブラジルの象徴といえば、サッカーとサンバ。この2つの熱狂によって、国民は貧困や社会矛盾に耐えてこられたのである。ところが、前出の山崎氏によると、W杯開催に伴う再開発によって「ストリートサッカー」ができる空間にしわ寄せがきているという。

 リオの海岸から山沿いに向かっていくと、「ファベーラ」と呼ばれる貧民街が見えてくる。海岸の砂浜、路地裏、広場…少年から大人までサッカーという遊戯に興じる光景は、この国では当たり前だった。

 どんなに劣悪な環境でも激しい生存競争を繰り返し、一握りのエリートだけがプロの扉を開ける。ストリートサッカーの衰退とともに、サッカー選手の“輸出大国”を担ってきたブラジルの下地が崩れているとしたら憂うべき事態である。

危険と隣り合わせのW杯

 日本人がこれまで見たことも経験したこともない劣悪な社会環境がブラジルには厳然と存在する。外務省ではブラジルへの旅行者に注意を呼びかけている。(1)非正規のタクシー(白タク)や流しのタクシーの利用を避ける(2)3つ星以上のホテルを選択する(3)銀行から出る際には不審人物がいるか確認する-と、ありとあらゆる注意を喚起し、「ブラジルへの無謀な渡航を自粛せよ」と言わんばかり。パッションの国はアテンションの国に変わってしまったのである

祭典の1カ月間は選手にとってもコンディショニングとの闘いになる。W杯中の日本代表の移動距離は参加32カ国中でも過酷なロングディスタンスを強いられるという。長距離移動に伴う疲労やストレス、食あたり、宿泊先での盗難被害の心配もあるだろう。

 実際、イタリアとイングランドが滞在予定のホテルで5月に大量の消費期限切れのパスタやエビなどの食材が見つかった。酷暑とハードスケジュールの中で連戦を戦うタフさに加えて、危険回避の嗅覚が求められている。

南米勢に「地の利」?

 過去、中南米で開催された6回のW杯で、欧州が優勝した大会は一度もない。亜熱帯の気候や過酷な試合日程は欧州勢に不利に働くのかもしれない。

 2016年にはリオデジャネイロ五輪が控えるブラジル。五輪開催地に決まったとき、ルーラ大統領(当時)は「これでブラジルは二流国でないことが立証された」と誇らしげに語った。しかし、それを言うのは早かった。前回の自国開催から64年後にブラジルへ帰ってきた2度目のW杯で、世界中のファンを感動の渦に巻き込んだとき、一流国であることが初めて証明されるのである。



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