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「ヤクザ指詰め強要裁判」の緊迫内幕怒号とびかう大阪地裁

下手を打った(ミスをした)暴力団組員が、反省や謝罪を表す手段として自身の小指を切断するとされる「指詰め」。このヤクザの習わしをめぐる公判で、検察側と弁護側が激しい応酬を繰り広げている。配下の組員に自身の小指を切断させたとして強要罪に問われているのは、指定暴力団山口組の直系組長ら2被告。度重なるミスに激高した組長らが「お前はとろいんや。指を詰めて組をやめろ」と組員に命じたとする検察側に対し、組長らは「命じたことはない」と全面否認。5月7日の被害者の証人尋問では指詰めの方法をめぐり、弁護側が「切れるわけないだろ、バカ」と怒鳴れば検察官が「バカとはなんだ」と応酬するなど怒号が飛び交う場面もあった。

■「指ちぎって、けじめとれ」

 4月25日午後、大阪地裁407号法廷は物々しい雰囲気に包まれていた。出入り口ドアの前では裁判所職員による厳重な所持品検査が行われ、廷内には通常の倍の刑務官の姿があった。

 強要罪に問われた山口組玉地組組長、山本義一(53)と玉地組幹部、寺村安幸(53)両被告の初公判。2人は20代の組員を脅して、自身の左手小指を切断させたとされたが、罪状認否ではいずれも「弁護士に任せます」と述べ、弁護人は無罪を主張した。

 検察側が、起訴状や冒頭陳述などで主張する事件の経緯はこうだ。

 昨年9月28日夜、飲食店で酒を飲んでいた山本被告は、運転手を務めていた組員に迎えに来るよう指示。しかし、組員の到着が遅れたためタクシーで帰宅することになった。

 翌日、組員は玉地組の事務所で山本被告に謝罪したが、それまでに下手打ちを繰り返していた組員に、山本被告は「お前はとろいんや。やっていけへんわ、もうやめろ」「やめるけじめとして指落とせ」などと告げた。

 謝罪を重ねる組員に、山本被告は「はよ、けじめつけや。指ちぎれや」「もう謝らんでもいい。ええから、けじめつけて出ていけ」などと続けた。

 さらに、事務所の2階で、寺村被告が「何を甘えているんや。親分があれだけ言ってるんや。親分に対する下手打ちやぞ」などと叱責。ノミを組員のそばに置いて、「指をちぎってけじめをとれ。ちぎった指を親分に差し出して謝れ」などと執拗(しつよう)に指を切断するように要求した

 耐えきれなくなった組員は、自分でまな板やタオルを準備し、ノミで左手の小指を切断。その後、改めて山本被告に謝罪し、組に残ることになったという。

切断方法“実演”

 こうした検察側の構図を弁護側は真っ向から否定。これまでの公判でのやり取りからは、弁護側が重視するいくつかのポイントが見えてくる。

 1つは、組員が大阪府警に被害届を出した時期だ。

 組員が大阪府警に被害を申告したのは、昨年11月中旬。指詰めをした直後に被害届を出さなかったのは不自然ではないか、ということだ。

 これについて、組員は証人尋問で、検察、弁護側双方の質問に次のような経緯を述べた。「もともとヤクザを続けたいとは思っておらず、両被告が別の事件で逮捕されたので、これを逃したらもうチャンスはないと考え、事務所を逃げ出して申告した

 弁護側は組員に対し、「警察から『指、どうした』と聞かれたことはないか」などとも質問した。指詰めを事件化したい警察が被害申告を働きかけたのではないか、との見立てをしているもようだ。しかし、組員は「ないです」と否定し、自分から申告したと述べた。

 もう1つのポイントは指詰めの方法だ。検察側は組員が単独で切断したとしているが、弁護側は単独では不可能だと主張している。

 証人尋問で、組員が説明したのは、輪ゴムで左手小指を付け根から縛って止血したうえで、手のひらを上に向け、右手に持ったノミで切断したという方法。

 弁護側はこれを疑問視し、尋問の中で組員に詳細なノミの持ち方を実演させ、「ペンを持つような持ち方だと力が入らない」「そんな持ち方では(指を)落とせないぞ」と詰め寄った。

 さらに、異議を挟んだ検察官に対して切れるわけないだろ、バカ」と怒鳴り、検察官も「バカとはなんだ」と応酬。裁判長から「慎んでください」と諭されるひと幕もあり、審理は緊迫さを増している。

指詰めの代償

 命令されたにせよ、自発的だったにせよ、指を切断するのは身の毛もよだつ行為。それでもなお「指を詰める」のは、よっぽどの意味があるからだろう。

 暴力団に詳しい捜査関係者らによると、指詰めには反省や謝罪の意味合いがあり、古くから暴力団内部で行われてきた。武器となる刀を握る際、小指がないと力が入らないことから、「大事なものを差し出すほどの反省」を示す行為だとされている。

 こうした習わしから、指の欠損は暴力団関係者を連想させ、脅威を誇示しているとのとらえ方もされるが、ある捜査関係者は「指がないのは下手をうった証。誇れることではない」と言い切る

 また、組を抜けるときのけじめとして指詰めを迫られることもあるが、「指がないと元組員と思われるため、普通の暮らしを送ることは難しく、脱退の足かせになっている」(捜査関係者)と指摘する声もある。

 せっかく暴力団を辞めても、指がないために社会復帰がままならない。「指詰め」の代償は大きいが、こうした元組員に義指を作り、更正を支援している動きもある。


 病気や事故などで失った体の一部を作っている大阪市内の工房は、これまでに全国で150人以上の元組員の義指を手がけてきた大阪府警も、更正したいという組員を紹介するなど協力している。工房の女性技師は「よい義指を作って、社会復帰の背中を押すことができればうれしい」と話す。

 組長に命令されたからなのか、自発的に行ったものなのか。公判の焦点は強要の有無だが、もっと大切なことは、「指詰め」が第二の人生に与える影響の大きさではないだろうか。


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