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「アベノミクスは格差を広げる施策だ」
3日の衆院予算委で、民主党の前原誠司元外相はアベノミクスの問題点を指摘した。安倍晋三首相は「なるべく早く賃金が(物価上昇に)追い付くようにしたい。消費税の上がった分は残念ながら、賃金が追い付くことができていない」と語った。経済政策では強気の発言が目立った首相には珍しい発言だった。
7日の参院予算委では民主党の蓮舫元行政刷新担当相が国立競技場(東京都新宿区)の解体工事に絡む官製談合疑惑を取り上げ、首相に「談合を監視する第三者機関をつくるべきだ」と要求した。
蓮舫氏は「検討したい」との首相答弁に満足せず、「談合に対しての国民の厳しい視線が分かっていない」と言い放った。
いずれも野党第一党による貴重な問題提起だったといえる。
ただ、蓮舫氏らは、松島みどり法相が自身の選挙区内の祭りで「うちわ」を配布した行為が公職選挙法が禁じる寄付だと攻撃。民主党は江渡聡徳(えと・あきのり)防衛相の資金管理団体による政治資金収支報告書の記載ミス問題も取り上げた。
国会は閣僚の「スキャンダル」に話題が集中。松島氏は14日の参院法務委員会で「参院予算委で多くの政治的課題がある中、私個人の政治活動に関する質疑に貴重な審議時間をちょうだいしたことはざんきに堪えない」と反省の弁を述べ、15日の衆院内閣委員会では野党側の国会質問を「雑音」と表現したことについて「言葉の使い方が適切ではなく、いろんな方面にご迷惑を掛けた。私の発言の至らなさをおわびした上で撤回させていただく」と陳謝。しかし、事態が収束するわけもなく、民主党の階猛衆院議員は17日、公選法違反の疑いで東京地検に告発状を提出したことを明らかにした。
16日からは、小渕優子経済産業相の資金管理団体の収支報告が問題になり、小渕氏が釈明に追われた。民主党の榛葉賀津也参院国対委員長は17日の記者会見で「3人の大臣に関しては週明けも徹底的に議論をして追及していきたい。国会でスキャンダルの議論ばかりしているという報道があったが、断じてそんなことはない」と語気を強めた。
しかし、7日の参院予算委では民主党の自滅もあった。
小川敏夫元法相はヘイトスピーチ(憎悪表現)の規制を求める立場から、山谷えり子国家公安委員長と「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の関係を追及した。そんな中、委員会室にいた民主党議員が男女関係を想起させる「懇(ねんご)ろな関係だったんじゃないか」とやじを飛ばしたのだ。
これには与党席などから猛烈な批判が起こり、山谷氏への追及は終了に。民主党は「懇ろ」発言の犯人を明かさず、翌日になって野田国義参院議員であることが判明した。しかし、当の野田氏は「誤解を与えた」としながらも「セクハラやじ」ではないと強弁、党もそのまま幕引きを図ろうとした。東京都議会では「早く結婚すれば」というやじを飛ばした自民党都議が会派離脱に追い込まれた中、「他人に厳しく、身内に甘い」という民主党の体質を露呈させたといえる。
質問を終えた蓮舫氏は記者会見で「やりたかった質問は『うちわ』ではなかった。やりたかったのは談合疑惑だった」と本音を吐露したが後の祭り。スキャンダルに執着したあまり、ミイラ取りがミイラになった後味の悪さが民主党側に残ったのは言うまでもない。
維新の党も、江田憲司共同代表が民主党の海江田万里代表との今月2日の党首会談で「国会での共闘」に合意したのを受けて、松島、江渡両氏らの追及に加勢した。
しかし、橋下徹共同代表(大阪市長)はかねてより「論戦を見て国民に判断してもらいたい。スキャンダル追及に明け暮れる国会はだめだ」と主張していた。維新の党となって国会対応は変わったのか。
また、次世代の党の山田宏幹事長は「我が党は政権与党のスキャンダルを探し出して足を引っ張るよりも、危機にある日本を救うことのみに全力投球する」と述べ、民主、維新の国会対応に疑問を呈した。さらに「党利党略の足の引っ張り合い、スキャンダル攻撃みたいなことをやる余裕は日本国にも、国民にもないはずだ」と訴えた。野党共闘は道遠しだ。(政治部 内藤慎二)
維新の党も、江田憲司共同代表が民主党の海江田万里代表との今月2日の党首会談で「国会での共闘」に合意したのを受けて、松島、江渡両氏らの追及に加勢した。
しかし、橋下徹共同代表(大阪市長)はかねてより「論戦を見て国民に判断してもらいたい。スキャンダル追及に明け暮れる国会はだめだ」と主張していた。維新の党となって国会対応は変わったのか。
また、次世代の党の山田宏幹事長は「我が党は政権与党のスキャンダルを探し出して足を引っ張るよりも、危機にある日本を救うことのみに全力投球する」と述べ、民主、維新の国会対応に疑問を呈した。さらに「党利党略の足の引っ張り合い、スキャンダル攻撃みたいなことをやる余裕は日本国にも、国民にもないはずだ」と訴えた。野党共闘は道遠しだ。(政治部 内藤慎二)