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時代を見通す日本の基礎情報

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世界の親日国】フランス、日本文化に惚れ込む 浮世絵、アニメに柔道…日本食も人気

パリにあるフランス料理の一流レストランで、最近、日本人料理人を採用する所が増えている。「日本人が働いているなら、美味しいし清潔に違いない」と評判になり、店が繁盛するのだという。パリ在住のフランス人から聞いた話である。

 日本料理屋でなく、フランス料理店というのが面白い。フランス人というと「自国文化に絶対の自信を持っている」とみられがちだが、どうやら、日本文化は例外のようだ。すしに代表される日本食は、米国以上にフランスで人気といえる。

 食文化と並んで人気があるのが、日本のマンガとアニメだ。人気マンガのほとんどが仏語訳されて出版されている。主要書店には、必ず日本のマンガとアニメの大きな売り場がある。マンガは青年、少年、少女などのジャンルに分けて売られているほど、種類が多い。

 毎年7月ごろに開催される日本文化の総合イベント「JAPAN EXPO(ジャパン・エキスポ)」は今年も大人気で、4日間で来場者数は23万人強を数えた。日本からはアニメやマンガ作者はもちろん、伝統文化や大衆文化の担い手が招待されて、実演や講演を行う。今年は「北斗の拳」の作者、原哲夫氏や、ゆるキャラ「くまモン」や「ひこにゃん」も登場した。茶道や華道、書道、さらに空手、柔道、合気道などの紹介も行われた。

 忘れてはならないのは、フランスは硬派な国で、サッカー、ラグビーなどが強いだけでなく、日本の武道が盛んで、空手や柔道の競技人口も多いことだ。五輪の柔道では、毎回男女とも上位に選手を進出させている
フランスが日本文化に魅了された初めは、浮世絵であろう。浮世絵が印象派に強い影響を与えたことはよく知られている。フランスでの日本文化愛好(ジャポニスム)は2つの世界大戦の間の1920~30年代に全盛期を迎えた。

 当時、ジャポニスム雑誌の編集者だったアルフレッド・スムラーは、レジスタンスに加わり、アウシュビッツの監獄につながれるが生き延びて、戦後、日本特派員を務めた。彼は、戦後日本の政治状況について次のように語っている。

 「日本の愛国者が置かれている状況は、戦中、われわれが置かれていた状況と酷似している。外国(米国)の圧倒的な政治権力の圧迫下で、民族の独自性を取り戻そうと苦闘しているのが、日本の愛国者なのだ」

 彼は、日本とナチス・ドイツとの間に、何の同一性も認めなかった。

 仏左翼に型通りの反日論がないわけではない。しかし、ドゴールの片腕でもあった希代の知識人、アンドレ・マルローは日本文化の精神性を極めて高く評価した。舞踊家のモーリス・ベジャールは三島由紀夫の自決に触発されて「M」という舞踊劇を創作した。作家のベルナール・ミローは「KAMIKAZE」を著し、特攻隊の精神的高貴さを描き出した。

 フランスの一流の知識人が、日本文化に寄せる熱い想いの一端がうかがわれる

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