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「低俗文化」とは言うまでもなく、笑いやセックスを売り物とするような娯楽性の強い新聞記事、映画、テレビ番組などの総称だ。ここに来て政権はなぜ、こういったものへの掃討に熱を上げているのだろうか。その答えはやはり、人民日報が掲載した前述の「不良文化批判シリーズ」の最後の論評にある。
シリーズの圧巻となるこの論評は、習近平国家主席が掲げる「中華民族の偉大なる復興」のスローガンを中心に持ってきて、「文化の復興は民族の復興のひとつ」とした上で、低俗文化の氾濫は民族の偉大なる復興の大いなる邪魔だと説いた。
なるほど、これこそは習政権が「低俗文化」を目の敵にした最大の理由であろう。問題は、たかが娯楽性を売り物にする程度の「低俗文化」がなぜ「民族の偉大なる復興」の邪魔になるのかである。人民日報記事は特に具体例を挙げていないが、昨年半ばから、大問題として取り沙汰されているのが「抗日ドラマの低俗化」であることはよく知られている。
昨年まで、中国では抗日戦争を題材とするTVドラマが洪水のように氾濫していた。視聴率を上げるための激しい市場競争の中で、1人の抗日軍の兵士が十数人の日本軍兵隊を素手でぶっ倒すような奇抜なシーンや、戦いの場面で女性の全裸を見せて売り物とするような抗日ドラマが続出する事態となった。
このような傾向は政権にとって実に不本意である。各テレビ局に抗日ドラマを大量に撮らせて放映させる共産党政権の意図はそもそも、国民における反日感情の強化と愛国主義精神の高揚を図るためだ。だが、肝心のドラマ内容が低俗化・娯楽化の方向へと走ると、政権の意図した思想教育にはむしろ逆効果だ。「反日」や「愛国主義」をちゃかすことで思想教育を無力化してしまうからである。
したがって、「愛国主義」をひとつの柱とする「民族の偉大なる復興」を掲げた習政権にとって、「抗日ドラマの低俗化」は「邪魔」なので、昨年夏からそれを一掃する作戦に出た。そして、文化全体の「低俗化」に対する掃討も同じ目的から展開された。
しかし逆の視点からすれば、今の中国における「文化の低俗化」はむしろ、共産党政権による思想教育とイデオロギー支配を突き破る大きな力となっているのではないか、ということである。
そう、文化が「低俗化」すればするほど、一般民衆がセックスや娯楽に心を奪われるほど、習主席が苦心して唱える「民族の偉大なる復興」は単なる空疎な官製スローガンに終わってしまい、人民に対する政権の思想支配はますます難しくなるのである。
そして、市場経済が定着して新聞社もテレビ局も商業的な競争にさらされている今の時勢下、政府の提唱する大言壮語の「思想」よりも気軽な娯楽性を好むことは一般的風潮だ。その中では、習政権の「低俗文化」に対する戦いには勝ち目がない。
行政的手段で一時的な効果を挙げることができたとしても、市場の原理と民衆に根付く「人間性」に逆らうことはとうていできない。今後も進んでいく「文化の低俗化」の前では、共産党政権の思想支配は、いずれか破綻するであろう。