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11月29日、東京都議会初日の本会議の所信表明を、前代未聞の“陳謝”で始めた猪瀬直樹東京都知事(67)。医療法人徳洲会グループの徳田虎雄元理事長(75)側から「借りた」5千万円で、政治生命の危機に立たされている。
「猪瀬さんは、東京五輪の招致成功でイメージを上げましたが、IOC(国際五輪委員会)はあきれているでしょうね」
警鐘を鳴らすのは、JOC元参事で、’98年の長野五輪招致を成功させたスポーツコンサルタントの春日良一氏だ。じつは以前から、IOCは猪瀬都知事に不満を強めていたと春日氏は言う。
「IOCは、五輪開催地決定後は速やかに大会組織委員会を設置するように、開催都市に義務づけています。6ヵ月以内が目安なのですが、9月に東京五輪が決まってから3カ月、誰が“会長”になるかでもめていて、いまだに東京五輪の組織委員会は設立の見通しが立たない状態なのです」
東京五輪組織委会長の座を争っているのは、猪瀬氏と森喜朗元首相(76)だ。春日氏は、組織委員会はIOCと対等に渡り合わなければならない、と言う。
「例えば、東京五輪の開会式で、IOCが定める厳格な“儀典規範”以外の独自色を出そうとすれば、組織委がIOCと粘り強く交渉しなければなりません。なのに、東京五輪ではまだ組織委の設立の見通しすらありません。交渉するしない以前の問題なのです」
このまま組織委と猪瀬氏のゴタゴタが長引くと、IOCが“開催決定取消”という伝家の宝刀を抜く可能性もーー。