忍者ブログ

時代を見通す日本の基礎情報

日本を取り巻くアジア情勢の変化 世界の情報を辛口で伝える情報部ログ 世の中はめまぐるしくかわっていきます その中で取り残されない為の情報をお伝えします Changing Asian situation surrounding Japan Tell the world information by information Department log The world is rapidly mood In order not to lag behind in its informed the <a href="https://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=3BDZ68+72TSYA+4IRQ+5YJRM" rel="nofollow">なんでもまとめてお売りください!宅配買取「いーあきんど」</a> <img border="0" width="1" height="1" src="https://www19.a8.net/0.gif?a8mat=3BDZ68+72TSYA+4IRQ+5YJRM" alt="">

吉田カバン、なぜ長く人気?国内生産へのこだわり、職人重視、安易に流行に乗らない





【STEALレザー】は、現在の社長兼デザイナーである「江越 慈高」氏により
2005年に札幌で創業しました。
2008年に株式会社Center Core Corporationを設立し
革職人集団の結束から新たな【STEALレザー】へと生まれ変わりました。
ブランド名の由来でもある「人の心を盗む」作品を
融合が難しいと言われる要素「デザイン」と「機能性」「耐久性」を
見事に融合させ、常にユーザーの視点で追及し続けています

くの会社で新年度のスタートとなった4月は、正月と同様に新たな目標を抱く時期だ。この機会にスーツや靴、バッグなど、身の回りの品を新しく替えた人もいるだろう。

 バッグで、ビジネスパーソンから高い支持を受けるメーカーに「吉田カバン」【編註:正式名称は、「吉」の「士」の部分が「土」】がある。同社が生み出す人気商品の舞台裏を探っていきたい。

 吉田カバンの2大ブランドが「PORTER(ポーター)」と「LUGGAGE LABEL(ラゲッジ レーベル)」だ。これらブランドの中に200以上のシリーズがあり、シリーズの中に数多くの個別商品がある。筆者の周りでも、深い愛着をもって、ポーターを何度も買い替える人がいれば、「何気なく買ったけど、そういえば吉田カバンだった」という人も目立つ。

 実は、いずれも超ロングセラーブランドだ。ポーターが発表されたのは1962年なので、今年で52年。84年発表のラゲッジレーベルは今年で30年となる。

 ファッションブランドで、これほど長く支持される理由はどこにあるのだろうか?

●「メイド・イン・ジャパン」のモノづくりを徹底する

 筆者は、さまざまな業界で消費者意識の変化を調べているが、ファッションに関して、この10年で起きた変化の1つに「中国製が受け入れられている」ことがある。人気ブランドの製作メーカー社長もこう証言する。

「当社も最近は中国の工場で生産している。数年前まで国内の工場で多く生産し、日本製を強調したが、残念ながら売れゆきには影響しなかった」

 世界の工場となった1990年代以降、中国の品質レベルは大きく向上し、ユニクロに代表されるファストファッション(低価格で着やすい)人気も手伝い、中国製は圧倒的多数となった。もはや「中国製を避けていたら、コーディネートの幅が限られる」時代だ。

 だが、吉田カバンは徹底して「日本製」にこだわる。それも並のこだわり方ではない。バッグに使う素材こそ、世界各国から部材メーカーが調達したものを使うが、その後の工程である「裁断」から「仕上げ」に至る一切の作業を日本国内で行うのだ。

 アパレルは、最終工程をどの国で行ったかで「〇〇製」が決められる。衣服とバッグは少し異なるが、製造の最初から最後まで徹底して日本製にこだわる人気ブランドは珍しい。

もちろん、こだわりには理由がある。「日本の職人を大切にしたい」という思いからだ。吉田カバン(社名は株式会社吉田)の創業は1935年。来年で80周年を迎える老舗メーカーだ。創業者の吉田吉蔵氏(1906~94年)は、たった2本の針で大型トランクまでつくってしまう卓越した職人でもあった。いい職人は職人の出来を知る。生前の吉蔵氏は「日本の職人を大切にして絶やさんでくれ」と話していたという。

 創業者の"遺言"を受け継ぎ、吉田カバンの社是は「一針入魂」。そして社内に工場はない。生産は厳選した協力工場に委託しており、同社の商品はすべて手作業によるものだ。バッグの製作は、社内の社員デザイナーが外部の職人と1対1で向き合って進める。

 商品企画はデザイナーが立案し、それを基に工程によって複数の職人が関わるのが一般的。例えば、革のバッグはデザイン企画後に、素材となる革を探す→革をなめす→ショルダー部分などに使う金具を選ぶ→裏地などに使う生地を選ぶ→ファスナー、テープ、ロゴを選ぶ→裁断→縫製――といった作業があるからだ(実際は、もっと細かく作業が分かれる)。

 素材やサイズによって異なるが、価格は1~3万円台が主流となっている。

●「頑丈さ」「壊れにくさ」で高い評価

 同社の日本製バッグは多くの点から支持される。中でも「頑丈さ」は、最もビジネスパーソンの支持が高い。仕事で使う機器や資料を詰め込むので、ショルダーバッグなら取っ手の部分が簡単に壊れては困る。同社に寄せられる声の中には「吉田カバンなのに壊れた」というのもある。モノなので時には壊れることもあるが、そこまで信頼されている証しといえよう。

 それを支えるのが日本の職人なのだ。同社は、過去に販売した同社製品の修理にも応じているが、この修理も職人が行う。ベテラン職人に話を聞いた際、次にように話していた。

「自分のつくったカバンでないこともあるので、はっきり言って修理には手間がかかります。でも、修理してまで使いたいというお客さんの気持ちはうれしいですから、やらないわけにはいきません。それに実際に修理すると、製作時には気づかなかった商品の弱点がわかることもあり、勉強になります」

 デザイナーと職人との関係も、それぞれの領域に対して主張し合う時もある。といっても発注側(吉田カバン)が優位になる関係ではないという。同社では必ず「職人さん」とさん付けで呼ぶ。新人デザイナーには、最初に「デザイナーなんて偉くもなんともない。原材料を調達する部材屋さんや裁断・縫製する職人さんがいて、初めて成り立つ仕事だ」と伝える。

 筆者も10年以上愛用した同社の商品を修理依頼したことがある。限定モデルだったので、同じ素材が手に入らなかったが、できる限りで補強してくれ、誠実な企業姿勢を感じた。

 取材者として見た吉田カバンは、少し「頑固」な会社だ。融通が利かないのではなく、こだわる部分はこだわるという意味。この頑固さもモノづくりにつながるのだろう。

●頑固でも「新しい」

 そうはいっても、バッグはファッションアイテムの1つだ。いくら頑丈でも、武骨だったら支持も低くなる。ファッション性でも吉田カバンが支持される理由を考えてみよう。

 80年代にラゲッジレーベルの赤地や青地に白い「×」のようなマークが、当時の若者の間で大人気となった。通称「赤バッテン」「青バッテン」と呼ばれ、バッグ売り場の目立つ場所に並んでいたので、現在の40代以上には手に入れた人も多いはずだ。

 ビジネスパーソンに人気のブリーフケースでは、ポーターの「タンカー」シリーズが昨年、限定で生地に迷彩色を取り入れた。タンカーは、83年に米軍フライトジャケットとして人気を呼びつつあった「MA-1」の生地をいち早く取り入れ、大人気となった。

 キーワードは「新しさ」だ。ただし「流行」ではない。トレンドとは向き合うが、頑固な会社ゆえ、安易には流行に乗らない。ポリシーを守りつつ、ブランドに合ったファッション性を取り入れることに成功している例といえるだろう。
http://www.steal-webshop.com
 ビジネス現場でも、こだわりは大切だが、ただ頑固なだけでは周囲の支持は得られない。その中で「これは」と思う部分を受け入れる柔軟性をどう持つかが重要――今回感じた吉田カバンの姿勢に通じる話だ。




拍手[0回]

PR