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時代を見通す日本の基礎情報

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大手メディア「黙殺」は「気持ち悪い」 「ミヤネ屋」解説委員がミス世界一ストーカー被害に言及

2012年のミス・インターナショナル世界大会で日本人初の優勝を果たした吉松育美さん(26)が記者会見を2回開いて芸能事務所役員からストーカー被害を訴えたが、大手メディアではほとんど報じられていない。

   とりわけテレビは「黙殺状態」だが、テレビ局の「中の人」が、ブログでこの問題について言及。メディアが沈黙している状況に「気持ち悪さ」まで表明した。

2回も会見したがほとんど報じられなかった。

日本外国特派員協会で会見する吉松育美さん。国内メディアはほとんど報じなかった
日本外国特派員協会で会見する吉松育美さん。国内メディアはほとんど報じなかった 

 吉松さんは2013年12月13日の東京地裁にある司法記者クラブで、12月16日には東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見し、今回の問題を詳しく説明。12月17日の世界大会では王冠を次の優勝者に手渡すことになっていたが、主催者から出席の自粛を求められたため、それもかなわなくなったことを明かした。特派員協会の会見では、司法クラブの会見について

「記者の姿勢は積極的で、質問も沢山出たが、出身地の新聞(佐賀新聞)以外はどこも記事を載せなかった」

と振り返り、「正直なところ、失望した」と話していた。特派員協会の会見も、主に記事にしたのは外国メディアだ。吉松さんは会見では流暢な英語で話し、吉松さんの発言には通訳もつかなかった。J-CASTではその発言を日本語に翻訳して報じたが、この翻訳部分は他のソーシャルメディア上でも多数引用された。

   だが、12月17日の世界大会の様子を報じたメディアは多い。その中で吉松さんに触れるメディアもあった。例えば共同通信は

「新ミスへ王冠を渡して祝福するはずの前年ミス、吉松育美さん(26)が欠席する異例の大会となった」

と指摘しており、吉松さんの特派員協会の発言も

「私が脅迫などの被害に遭っているため、不安を感じた協会から『体調不良を理由に自粛してくれ』と告げられた」

と報じている。吉松さんの地元の佐賀新聞も共同記事を掲載し、

「異例、前年ミス欠席 主催者、吉松さんに『自粛』要請」

という見出しをつけた。だが、これは例外のようだ。

テレビは世界大会報じるも吉松さんには触れず

   テレビでは少なくとも、NHK、日本テレビ、TBSが世界大会の様子を伝えた。だが、内容は主にフィリピン代表のベア・ローズ・サンチャゴさん(23)の優勝に関するもので、吉松さんには触れなかった。

   大半のメディア関係者も沈黙を守ってきたが、12月22日になって、「ミヤネ屋」(読売テレビ)への出演で知られる春川正明・読売テレビ報道局解説副委員長が、ブログで吉松さんの件について触れた。ブログによると、春川氏は特派員協会の会見については、

「ミス・インターナショナルの1年間の活動についてだと思っていた」

といい、吉松さんの身の回りに起こっている問題については把握していなかったとした。

「恥ずかしながら、今回の件で司法記者クラブや外国特派員協会で記者会見したことを昨日まで知らなかった」

「大手芸能プロダクションの影響力に配慮しているとしたら情けない限り」

春川氏は、吉松さんの件を取り上げた理由を

「事実関係はまだはっきりと分からないものの吉松さんの言う通りだとすればストーカー被害がかなり深刻であることもさることながら、メディアが横並びで一斉に沈黙を守っていることの気持ち悪さだ」

と明かす。また、芸能事務所の影響力についても踏み込んだ。

「海外エージェントの男性の関連が明らかでないことなどから報道を控えていることも考えられるが、もしもネットで指摘されているように大手芸能プロダクションの影響力に配慮しているとしたら情けない限りだ。相手の言い分も含めて報道すべきではないか」

   ブログのコメント欄は、春川氏の書き込みを称賛するものが大半だ。中には

「春川さん大丈夫ですか?」

と春川氏が失脚しないか心配する声あったが、春川氏は12月24日の「ミヤネ屋」に出演しており、現時点では杞憂のようだ。

   今回の吉松さんの問題は、吉松さんにストーカー行為を行ったとされる芸能事務所役員と吉松さんをマネジメントしている米国人男性との間の金銭トラブルに端を発する。芸能メディアを除けば、春川氏が指摘しているように、大手マスコミは米国人男性の素性が分からず事実関係の確認に手間取る上に、金銭トラブルとストーカー事件との関係が微妙で、手間の割には取り上げる価値が少ないと判断して記事化を見送っている可能性がある。

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