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そもそも議員バッヂは議員の身分を保障するもので、国会に入る時は必ず着用しなければならないことになっている。
以前、ベテランの秘書からこんな話を聞いたことがある。宮沢内閣の頃のことだ。
ある日、宮沢喜一首相はうっかり議員バッヂの着用を忘れた。国会内では予算委員会が開かれようとしていた。そのまま入ろうとしたが、衆議院の警備は「バッヂがないから、総理といえどもお入りいただけない」と譲らない。しかし首相が欠席しては、委員会は始まらない。ついに随行していた他の議員のバッヂを借りて、ようやく宮沢首相は院内に入れたとのこと。
この時の警備について批判はほとんどなく、概ね「よくやった」との評価だったらしい。当時と比べ現在は、議員に対してのセキュリティは緩くなっているのだろうか。一般人への警備はむしろ厳しくなっているというのに。
一般人が議員会館に入る際、全員金属探知機にかけられる。ただし議員と秘書は免除される。これが導入された時、「本当に議員を刺したいと思うのは、一般客じゃないだろ。もっと身近にいて、議員の我がままにうんざりしている人じゃないか。でもそういう人は探知機にはかけられない」と笑い話にされたことがある。
もちろん出入りの都度、議員や秘書を金属探知機にかけるのは煩わしい。だからこそ、議員バッヂや秘書通行証が交付されているわけだ。各自の「怨念」はさておき、自由に通行できるというルールが作られているわけである。
山本氏は参院の院内に入る時に拒否されるべきだった。国会は国のルール(法律)を作るところだ。ルールを知らない者を甘やかしてはならない