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日本を取り巻くアジア情勢の変化 世界の情報を辛口で伝える情報部ログ 世の中はめまぐるしくかわっていきます その中で取り残されない為の情報をお伝えします Changing Asian situation surrounding Japan Tell the world information by information Department log The world is rapidly mood In order not to lag behind in its informed the <a href="https://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=3BDZ68+72TSYA+4IRQ+5YJRM" rel="nofollow">なんでもまとめてお売りください!宅配買取「いーあきんど」</a> <img border="0" width="1" height="1" src="https://www19.a8.net/0.gif?a8mat=3BDZ68+72TSYA+4IRQ+5YJRM" alt="">
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最大限の猛抗議を行った数日後、中国政府は今度、自国だけの抗議にとどまらず、アジアや世界の各主要国と連帯して日本に対する「包囲作戦」を展開する動きを見せた。
まずは12月30日、王毅外相はロシアのラブロフ外相と電話で協議し、安倍首相の靖国参拝について意見を交わした。中国側の発表によると、王外相はラブロフ氏に対し「安倍首相の行為は平和を愛する国家と人民の警戒心を高めた」と述べた上で、「世界の反ファシズム戦争に勝利した国、安全保障理事会常任理事国として、戦後の国際秩序の維持のため共同で対処する」よう呼びかけた。
同じ日に、王外相はドイツやベトナムの外相とも電話会談して日本に対する「共闘」の呼びかけを行った。
そして翌日の31日、王外相は韓国の尹炳世外相とも電話協議した。その中で王外相は「中韓は安倍首相の行為を厳しく非難した。われわれの反応は正当だ」と発言して韓国との「連携」を強調してみせた。同日、中国外務省の華春瑩副報道局長は定例記者会見において、「韓国側と連携して歴史の正義を守る」と述べたが、それは、王外相の発言よりも一歩踏み込んだ、より露骨な「対日共闘要請」であった。
いわゆる「靖国問題」を材料に各主要国を巻き込んで「日本包囲作戦」を展開して行こうとする中国の思惑がよくわかるが、問題は、中国が一体どうして、日本との全面対決も辞さずにしてこのような作戦の展開に踏み切ったのかということである。そこにはおそらく、2つの大きな理由があると思う。
理由の1つはやはり、中国は今までずっと、安倍政権の展開する「中国包囲網外交」に悩まされて来ていることだ。昨年5月9日に本サイトで掲載された私の記事「『安倍叩き』に見る中国の外交的敗北感」でも指摘しているように、安倍政権は発足以来ずっと、「対中包囲網」の構築を強く意識したアジア外交と世界外交を展開して来ている。それが大きな成果を上げて日本の国際的立場を大いに強化した一方、中国は自らの包囲網が徐々に出来上がっていく中で孤独感を深めた。
こうした中で、昨年末に安倍首相は突如、国際的にも異議の多い靖国参拝に踏み切った。中国からすれば、それこそ安倍政権の中国包囲網外交に反撃する絶好のチャンスとなったのであろう。
そして、中国政府に反撃として日本包囲作戦に実際に踏み切らせたもう一つの要因はやはり、米国政府の態度だった。
安倍首相の靖国参拝当日の26日、中国政府が日本に対する抗議行動を展開していたのと同時に、米国政府は在日米国大使館を通じて「日本の指導者が近隣諸国との関係を悪化させるような行動を取ったことに、米国政府は失望している」との声明を発表した。米政府はこれまで、小泉首相を含めた日本の首相の靖国神社参拝に公式に反対したことはなく、今回声明を出して批判したのは極めて異例の対応であると言える。
そして同じ日に、欧州連合(EU)のアシュトン外務・安全保障政策上級代表も声明を発表して「地域の緊張緩和や中韓両国との関係改善の助けにならない」と、安倍首相の靖国参拝を批判した。
このようにして、国際的に大きな影響力を持つ米国政府とEUが口を揃えて安倍首相の靖国参拝を批判したことは当然、中国政府を大いに勇気づけたと思う。かつての小泉首相の靖国参拝時、中国の猛反発に同調したのは韓国くらいであったが、今回は、日本の同盟国である米国と、世界の主要国家の連合であるEUが批判の列に加わったというのは、中国にとっては望外な驚喜であるに違いない。そこで彼らは、日本に反撃する千載一遇のチャンスだと思ったのであろう。
そして、その反撃の第一弾として放たされたのはすなわち、12月30日に行われた王毅外相とロシア・ドイツ・ベトナム外相などとの電話会談である。
もちろん、「対日包囲網」の遂行において、中国が最も気になるのはやはり米国の反応である。そもそも、この作戦のきっかけを作ったのは米国政府の「失望声明」であったことは上述の通りであるが、中国からすれば日本の同盟国であり世界で最も強い影響力を持つ米国が中国の立場に同調してくれるのならば、作戦の成功はもはや保証されたも同然と考えていただろう。
したがって中国は、作戦を展開する中で何よりも「対米工作」を重要視している。実際、安倍首相の靖国参拝に対して、中国の駐日大使よりも批判の先頭に立って活発な動きを見せているのは中国の駐米大使の崔天凱氏である。
崔大使が日本批判の口火を切ったのは今年1月3日、新年早々の記者会見で彼は「靖国問題」を取り上げて、「安倍氏は歴史を書き換え、再度軍国主義の道を歩みたいと考えているのだ」と述べた。かつて「日本軍国主義」と戦ったことのある米国で、このような発言は明らかに、米国民と米国政府を刺激して「反安倍・反日」へと誘導するためである。
台湾の中央通信社が1月4日に掲載した記事によると、崔大使は記者会見の中でさらに、「安倍首相の考えは米国の立場とも合わない」と言って露骨な日米離間を計った一方、「同盟国であるかどうかは関係なく、大国として責任ある対応をとってほしい」と述べて、日本に圧力をかけるよう米国政府に求めたわけである。
それから1週間後の1月10日、崔大使は米紙ワシントン・ポストに寄稿し、「中国やアジアの多くの国の人々を深く傷つけた」として、安倍首相の靖国参拝を改めて批判した。そしてさらに1週間後の17日、今度は米公共放送(PBS)のインタビューでは「戦後の国際秩序に本気で挑もうとしている」と非難した。
このように崔氏は、本来なら日中間のテーマであるはずの「靖国参拝問題」を、米国で頻繁に持ち出して日本への誹謗中傷を執拗に繰り返す有り様である。それは明らかに、米国の世論と政府を動かして中国の企む「対日包囲網」に加わるよう誘導していくための工作であろう。
しかし彼自身と中国にとって大変残念なことに、この「誘導作戦」は今のところ、ほとんど何の成果も上げていない模様である。崔大使があれほど躍起になって米国民と政府を相手に日本批判を展開しても、オバマ政権の高官の誰一人も彼の日本批判に同調した痕跡はないし、米国の国務長官はロシア外相のように中国外相との電話協議に応じた気配もない。崔大使が米国で行っている一連の日本批判は、観客のいない一人芝居のような寂しいものに終わっているのである。
それどころか、中国を勇気づけた例の「失望声明」を出してからまもなく、米国政府の態度は徐々に日本にとって有利な方向へと変わっていったのである。
その変わり目は、12月30日に行われた米国務省のハーフ副報道官の記者会見である。ハーフ副報道官は、安倍首相の靖国参拝直後に米大使館が「失望する」と声明を出したことに関して、それは靖国参拝そのものに対してではなく、日本と近隣諸国との関係悪化に対する懸念であると述べた。彼女はさらに、「日本は同盟国であり、緊密な連携相手だ。それは変わらないだろう」と語り、日米関係に変化はないとの考えを示した。
ハーフ副報道官のこの発言は実に重要な意味を持つものである。それはまず、米国政府の表明した「失望」は決して靖国参拝そのものに対する批判ではないと明確にすることで、中国政府の行う靖国参拝批判と一線を画した。米国政府が中国の靖国批判に同調しないことの意思表明でもある。その上でハーフ副報道官はさらに、「日本との同盟関係に変わりがない」と強調して、日米の離間を図る中国を牽制した。
同日、王外相は対日包囲網構築のために多数の国々の外相に「電話協議」攻勢を仕掛けていたことから考えれば、ハーフ副報道官による上述の態度表明は、中国の危うい動きを察知しての措置であるとも理解できよう。そしてそれは結果的に、中国の企みを挫折させる大きな力となったのだが、その一部終始は後述に委ねることとする。
ここではまず、米国の本音に対する中国政府の大いなる誤読があったことを指摘しておこう。
なるほど、安倍首相の靖国参拝直後に、米国政府は確かに大使館を通して「失望した」という前代未聞の声明を出して、安倍首相の行動を批判した。しかしそれは決して、中国に同調するような批判でもなければ、中国に日米同盟の離間を図るチャンスを与えるような批判でもない。まさしくハーフ副報道官の指摘した通り、それは単に、日本と中国・韓国などの近隣諸国との関係悪化を憂慮しての懸念表明であって、それ以上でもそれ以下でもないのである。
そして米国は一体なぜ、日本との近隣諸国との関係悪化を憂慮しなければならないのかというと、それこそ日本国内外の多くの有識者たちが指摘しているように、山積する国内問題やシリア問題への対応で精一杯のオバマ政権は今、東アジアで緊張が高まり衝突が起きるような事態を何よりも恐れているからである。つまり、東アジアの安定を望むその思いこそ、米国政府の日本に対する「失望声明」の根底にあるものであろう。
しかしよく考えてみれば、まさにこの思いと同じ理由から、オバマ政権は決して、日本との関係悪化も望まないはずである。というのも、もし両国関係が悪化して日米同盟が動揺してしまうような事態となれば、それこそがアジア地域の安定を脅かす最大の不安要素となるからだ。
したがってオバマ政権は、いわゆる「靖国問題」の一件で日本との同盟関係に亀裂を生じさせるような愚行に及ぶようなことはしないだろう。逆に、日米関係を動揺させるような誤解が広がる事態となれば、むしろ米国政府が急いでそれを解消し、日本との同盟関係を正常の軌道に乗せていかなければならない。前述のハーフ副報道官の発言は、まさにオバマ政権のこうした努力の一環であると理解すべきであろう。
しかし一方の中国はまるきり、オバマ政権の本音を読み間違ったようである。米国政府の「失望声明」をチャンスだと思い込み、それに乗じて日米同盟の離間に重点をおいた「日本包囲作戦」を展開することになったわけだが、誤った状況判断と思い込みの上で策定した代物であるが故に、最初から成功する見込みはないのである。
実際、前述のハーフ副報道官の記者会見以降、中国の作戦は見る見るうちに頓挫していくこととなった。
挫折はまず、12月31日に行われた中韓外相の電話会談から始まる。
中国の発表では、王毅外相が会談で「中韓は安倍首相の行為を厳しく非難した。われわれの反応は正当だ」と発言し、尹炳世外相が「参拝に反対する韓国政府の厳しい立場」を表明したとの内容だったが、これに対し、韓国の発表文は「最近の北東アジア情勢など関心事を協議した」と述べるにとどまり、関連部分の具体的内容を明らかにしなかった。
韓国の聨合ニュースはこの会談に関して「日本との歴史問題をめぐり、王外相が韓国側に連携を呼び掛けたとの見方があるが、韓国政府は『国ごとに対応する問題』との立場だ」、と解説した。その上で「韓国政府は日本と協力する分野もあり、韓米日の協力の必要性もある」とし、「歴史問題で中国と全面的に連携するのは望ましくないというのが政府内外の雰囲気だ」とも伝えた。
このように、中国の「日本包囲作戦」はその出足からすでに躓いたわけである。そして年明けの1月7日、米国で行われた米韓外相会談の結果によって、中国はよりいっそうの挫折感を味わうことになった。
この会談の内容に関して、韓国の尹炳世外相は会談後、「歴史問題が地域の和解と協力を進める上での障害になっている」と語り、安倍首相の靖国神社参拝で冷え込む日韓関係を取り上げたことを明らかにしたが、一方、ケリー米国務長官は会見で日韓関係についていっさい触れなかったし、安倍首相の靖国参拝に対する批判は一切行わなかった。つまり米国政府は、前述のハーフ副報道官の発言を持っていわゆる「靖国問題」に終止符を打ちたいという考えであり、それを韓国側にもしっかりと伝えたわけである。
おそらく米国のこの態度の影響か、米国の同盟国として日本以上に米国傾倒の韓国は、この日の米韓外相会談の前から、安倍首相の靖国参拝に対する批判のトーンをすでに下げ始めていた。韓国側のこの変化をいち早く察知したのは実は中国のメディアである。
1月6日、共産党機関紙の人民日報と同じ系列の環球時報は、「朴槿恵大統領に異変?!日本批判をトーンダウン」とする記事を掲載して韓国政府の「豹変」を嘆いて暗に批判したが、もはや後の祭り。中国が「対日共闘」の重要国として大いに期待していた韓国はついに、中国との「共同戦線」から離脱した。
中国の対日作戦の頓挫はもちろんそれだけではない。実は、去年の12月30日に中国の王外相が展開した例の「電話協議作戦」において、中国にとって一番の成果となったのはロシア外相からの反応であった。中国側の発表によると、王毅外相の行った靖国参拝批判に対し、ロシアのラブロフ外相は「ロシアは中国の立場と完全に一致する」と述べ、首相の参拝に不満の意を表明。「日本が誤った歴史観を正し、地域の緊張を激化させる行動をとらないよう促す」と応じたという。
中国外相が電話協議した各国の外相の中で、それほど明確な表現をもって中国の日本批判に同調したのはラブロフ外相をおいて他にはいない。唯一、中国との「共闘」を明確に表明したのもロシアである。中国の「日本包囲作戦」が上げた唯一の具体的な成果でもある。
しかし今年1月半ばになると、この唯一の成果は早くも水の泡と化した。
まずは1月17日、日本政府は安倍首相のロシア訪問を発表し、ロシアが主催国のソチ五輪閉幕式への安倍首相の参加も調整することとなった。そしてロシアのラブロフ外相は1月21日にモスクワで記者会見し、プーチン大統領が安倍晋三首相の招待を受諾し、日本を訪問すると語った。
つまり日露両国は今後引き続き、自らの国益に沿っての関係強化を進めることとなっていくわけだが、中国の提起した「靖国参拝問題」は、日露両国の関係強化の妨げになるようなことはほとんどない。例の電話協議で、ロシアの外相は一応中国の面子を立ててそれに同調するふりをしていながらも、実際の外交行動になると、ロシアはロシアの国益に沿って動くだけである。中国が何を言おうと、日露関係は予定通りに進むこととなる。冷徹な国際政治の力学の前で、中国の虫のよすぎる「日本包囲作戦」の企みは何の効果もなかった。
そして、ロシア政府の「裏切り」で落胆していた中国政府をさらに意気消沈させたニュースは、米国から入ってきた。
1月17日、米国訪問中の日本の国家安全保障会議(NSC)事務局「国家安全保障局」の谷内正太郎局長は、ワシントンでケリー国務長官、ヘーゲル国防長官、ライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と相次いで会談し、日米のNSCが緊密に連携していくことを確認した。複数の米主要閣僚が谷内氏を迎えるというこの異例の厚遇は、日米同盟強化に取り組む米側の姿勢を強く印象付けたのと同時に、いわゆる「靖国参拝問題」で生じてきた日米間の不協和音は完全に解消されたことをも意味する。
これで、米国の「失望声明」に乗じて展開されてきた中国の「日本包囲作戦」はまったく徒労に終わってしまった。北京政府は結局、韓国からもロシアからも米国からも梯子を外されて、「日本叩き」の一人芝居を演じてみせただけのピエロになっているのである。
その後、中国は自らの失敗の憤懣のはけ口として、世界中の中国大使を総動員して各国の新聞やテレビでヒステリックに安倍政権非難を始めているが、それはもはや負け犬の遠吠えに聞こえるものなのである。