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共同発議者に名を連ねた最大野党・新政治民主連合の辛鶴用(シン・ハクヨン)議員は「セウォル号惨事を韓国社会がさらに成熟させて質的に発展する契機にする」と法案の意義を語る。
法案の目的は「社会の各界各層に蔓延(まんえん)していた不正と非良心的な行動」を、人格教育によって正すことにある。学歴・競争偏重の教育を改めて、責任や礼儀などといった道徳教育の充実を目指す。
具体的には、国が「人格教育基本計画」を作成して、地方自治体・学校が実行することを義務づける。小中高校は人格教育計画を年初に作成し、年末に「どれだけの成果が得られたか」という評価を受ける。教師は人格教育研修を受けることが必須となり、筆記試験中心の教員採用試験を見直して「性格検証」を導入するという。
法案提出を目指すのは、朴槿恵(パク・クネ)大統領を支える与党・セヌリ党も含む、与野党の国会議員100人以上。過去最大規模の賛同者といい、セヌリ党の鄭義和(チョン・ウィファ)国会議長も共同発議者に名を連ねている。
韓国事情に詳しいジャーナリストの室谷克実氏は「韓国が道徳教育を強化するのは正解だ。朴政権は沈没事故を受けて機構改革ばかりに集中しているが、問題の本質は『汚職と嘘とマニュアル無視』だ」と一定の評価を与え、こう続ける。
「ただ、韓国に道徳教育を行える教師がどれだけいるのか。韓国の教師は、生徒の親からつけ届けられる『現金入りの封筒』を空けるのに必死だったり、親北朝鮮活動に熱心な人が多い。口で言うのは簡単だが、人的インフラに不安が残る」