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時代を見通す日本の基礎情報

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日本企業への理不尽なカツアゲ戦略 各地で賠償企む“反日訴訟活動家”



中国の裁判所に差し押さえられた、商船三井の鉄鉱石運搬船=中国浙江省舟山市の港(共同)【拡大】

習近平政権になって、中国では政治犯・思想犯による投獄者が激増している。一方、1990年代には中国政府の監視対象だったのに、ゾンビのごとく蘇った政治的人物もいる。その1人は“反日訴訟活動家”で「中国民間対日賠償請求連合会」の童増会長である。

 中国サイトによると、童氏は「中国民間保釣聯合会(=尖閣諸島を守る中国民間の連合会)」会長や、学者、投資会社の董事長(会長)、中国宋慶齢基金会理事など、複数の肩書を持つ。強烈な民族主義者で「2005年の反日デモの仕掛け人」との記述もある。

 童氏が対日訴訟に目覚めたのは「西ドイツがユダヤ人に損害賠償を求める道義的権利があることを認め、生存者への支払いに同意した」という、1988年の報道がきっかけとされる。

 「同様の訴訟ができるはずだ」と動き出したが、中国には89年の天安門事件で西欧社会から強い制裁が加わった。ベルリンの壁崩壊や、共産主義国家の瓦解もあり、中国共産党はまさに崖っぷち。頼みの綱、つまり金づるは「平和ボケ」した日本だけだった。そのため、童氏の動きは封じ込まれた。

 その後、国家賠償を民間の個人賠償に切り替え、日本でも訴訟を何回か起こしたが、「日中間の請求権の問題は、72年の日中共同声明後は存在しない」「国家賠償責任には民間の賠償責任も含まれる」を理由にすべて敗訴した。中国各地の人民法院(地裁)でも提訴したが、いずれも同じ理由で却下され続けてきた。

ところが今年3月、三菱マテリアル(旧三菱鉱業)と日本コークス工業(旧三井鉱山)の2社を相手に、第2次世界大戦中の「強制連行」をめぐって、元労働者や遺族へ損害賠償や謝罪を求める訴状が北京市第一中級人民法院で受理された。

 4月には、日中戦争勃発前の船舶賃貸契約をめぐる訴訟で、上海海事法院(裁判所)によって、商船三井の大型船が浙江省の港で差し押さえられた。その後、商船三井が賠償金に金利などを加えた約40億円を、供託金として中国当局に支払った事実も報じられた。

 中国の司法界は、共産党の指導下にある。国交樹立以来、約40年続いた日中両国政府の見解を反故にして、習政権はそれ以前に時計の針を戻して“カツアゲ戦略”へと舵を切った。「日本の帝国主義戦争を支えた極悪非道な企業」への報復は当然であり、日本の弱体化、属国化への早道と考えているのだろう。

 「今後も似た裁判を、各地で起こす準備を進めている」と、活躍の時を迎えた童氏の鼻息は荒い。「強制連行」「過労死」などの対日訴状が、各地で受理されて裁判になれば、日本企業への厳しい判決は免れない。日本は、理不尽な“カツアゲ”に断固として対抗すべきだ。


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ところが今年3月、三菱マテリアル(旧三菱鉱業)と日本コークス工業(旧三井鉱山)の2社を相手に、第2次世界大戦中の「強制連行」をめぐって、元労働者や遺族へ損害賠償や謝罪を求める訴状が北京市第一中級人民法院で受理された。

 4月には、日中戦争勃発前の船舶賃貸契約をめぐる訴訟で、上海海事法院(裁判所)によって、商船三井の大型船が浙江省の港で差し押さえられた。その後、商船三井が賠償金に金利などを加えた約40億円を、供託金として中国当局に支払った事実も報じられた。

 中国の司法界は、共産党の指導下にある。国交樹立以来、約40年続いた日中両国政府の見解を反故にして、習政権はそれ以前に時計の針を戻して“カツアゲ戦略”へと舵を切った。「日本の帝国主義戦争を支えた極悪非道な企業」への報復は当然であり、日本の弱体化、属国化への早道と考えているのだろう。

 「今後も似た裁判を、各地で起こす準備を進めている」と、活躍の時を迎えた童氏の鼻息は荒い。「強制連行」「過労死」などの対日訴状が、各地で受理されて裁判になれば、日本企業への厳しい判決は免れない。日本は、理不尽な“カツアゲ”に断固として対抗すべきだ。


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