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時代を見通す日本の基礎情報

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社名公表に踏み切る厚労省「ブラック企業」査察

 長時間労働、低賃金、パワハラ……劣悪な労働環境を強いる、ブラック企業。8月11日にはジャーナリストや弁護士、大学教授などの有志が“ブラック企業大賞”なるものを発表し、大賞に選ばれたワタミフードサービスをはじめ、教育、運輸、アパレル、飲食などさまざまな企業の“ブラック”ぶりが白日の下に晒された。

 こうなっては厚生労働省も黙ってはいられない。9月を「過重労働重点監督月間」とし、ブラック企業に切り込んでいく姿勢を明らかにしたのだ。

「“若者の『使い捨て』が疑われる企業等への取組を強化”ということで、1カ月間で約4000社に抜き打ちの立ち入り調査を行います」(厚労省)

 労働基準監督署やハローワークヘの苦情や通報をもとにターゲットを絞る。

「今は社会的に“ブラック”という言葉づかいが一般化していますが、具体的にどういう点が問題なのかがはっきりしない。そこで労働基準法をベースに、“長時間労働”と“残業代未払い”を重点的に確認します。もちろん雇用形態は正規非正規を問いません」(同)

 重大、悪質な違反が確認された企業は送検し、企業名を公表するというから、“白馬の騎士”の登場か、と期待したいところだが、

「実効性は疑問ですね」

 と言うのは、経済アナリストの森永卓郎氏。

「全国にたった3000人ほどしかいない労働基準監督官がどこまでホンモノのブラック企業を摘発できるでしょうか」

 と手厳しい。さらに、

「“ブラック”の手口は陰湿巧妙で、自主退職に追い込むための“追い出し部屋”だとか、プレッシャーをかけ続ける“背面監視”など、明確な法令違反と言えないものもあります」

 手ぬるい“重点監督”では、“ブラック”はなくならない。本気でやるなら、

「労働基準監督官は捜査権や逮捕権を持っているのですから、有名どころの社長や人事部長を逮捕し、それを公表すれば効果は甚大なはずです」

 さてさて、厚労省のお手並み拝見――。

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