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政府が敵基地攻撃能力の保有も視野に入れ、「日本版トマホーク」といえる長距離巡航ミサイルの「国産化」を検討していることが分かった。2022年度の試作品完成を目指す。政府は米国などから長距離巡航ミサイルを導入する方針を固めているが、緊迫する北朝鮮情勢や中国の海洋進出に対処するには、独自開発による防衛力整備も必要と判断した。
政府は18年度予算案に米国製とノルウェー製の長距離巡航ミサイルの調達費を計上した。米国製は900キロ、ノルウェー製は500キロを誇る。防衛省幹部は「長距離巡航ミサイルを持つことで、敵の脅威圏外からの攻撃が可能になる。空自パイロットの安全性は格段に増す」と説明する。
一方、自衛隊が保有する対艦ミサイルの射程は約170キロ。技術的には長距離巡航ミサイルの国産化は可能とされていたが、「専守防衛」の立場から開発は見送られていた。
これに対し、12日に開かれた自民党安全保障調査会(中谷元会長)などの会合では「長距離巡航ミサイルを保有するなら国産化も検討すべきだ」との声があがった。装備品の海外調達費を抑え、国内防衛産業の成長を促す狙いもありそうだ。
読売新聞は11月20日朝刊で「日本版トマホーク」の開発検討について報じている。計画段階の射程は300キロ以上で、専用車両や護衛艦、P1哨戒機、戦闘機などからも発射可能にするという。最先端技術で、ステルス性能などを高め、米国の「トマホーク」より高性能を目指すようだ。
自民党国防族は「これまでは『専守防衛の範囲を超える』という批判に配慮してきたが、北朝鮮情勢などで局面は変わった。敵基地攻撃能力につなげるためにも国産化は自然な流れだ」と指摘する。