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「道端で泣いている受験生を発見。緊張のあまり昨夜、眠れず寝坊をしてしまったとか。白バイで試験会場まで搬送しました」
これは今年11月7日、韓国の大邱警察署のツイッター公式アカウントに書かれた一文だ。試験会場とは、日本のセンター試験にあたる「大学修学能力試験(修能試験)」の会場を指している。
日本以上の学歴社会である韓国では、受験生たちは文字通り命がけで修能試験に挑む。そして修能試験の当日は、国を挙げて受験生がサポートされる。
役所や企業は出社時間を遅らせ、地下鉄やバスは朝の6時から8時まで増便される。遅刻しそうな学生をパトカーや白バイ、救急車が試験会場まで送ることもある。試験が行われる時間帯は、試験会場周辺の車両の通行が制限され、ヒアリング試験が行われるあいだは飛行機の離着陸も中断される。
親たちも大騒ぎだ。お寺や教会には子供の合格を祈願する人であふれ、試験会場となっている大学の校門に飴をくっつける人が後を絶たない。韓国では合格することを「くっつく」と表現することから、縁起を担いでいるのだ。
修能試験も終わり、受験生も親も一息ついている今の時期、韓国では修能試験と関連してこんな言葉を耳にするようになる
「修能整形」
試験を終えた高校生たちが、大学入学を控えて美容整形手術を受けることを指す言葉だ。いまの韓国はまさに修能整形シーズン。"整形通り"と呼ばれる、美容整形クリニックばかりが200軒以上並ぶ狎鴎亭駅の周りには、この時期「修能整形30%OFF」などのポスターや看板がずらりと並ぶ。最近では母親も一緒に手術を受けると割引されるパッケージ商品があるそうで、ソウルで中年女性が整形手術をすると「あの家の娘さん、試験が終わったのね」なんて言われることもあるそうだ。
卒業式に参加するために久しぶりに高校に行くと、友達同士でもわからないことも少なくないとか。