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総合株価指数上値重く
「韓国総合株価指数(KOSPI)の疾走を妨げる厄介者になった」
中央日報(電子版)で“厄介者”と比喩されたこれまで、市場の主役をはってきたサムスン電子と現代自動車のことだ。
韓国経済を牽引する2社が占めるKOSPIでの時価総額の割合は5分の1にもなり、両社の調子がよいときは、KOSPIは勢いを増すが、不振に陥るとその反動は大きいという。
崔●(=日の下に火)煥・経済副総理の就任に伴う韓国政府の景気回復期待から8月はKOSPIは2050ポイントを突破したが、2100ポイントを超えられない水準にある。経済を牽引するサムスン電子と現代自という「機関車の不振」が、株式市場の足かせになっている現状を伝えた。
営業利益は半分に?
サムスン電子の7~9月期決算について、市場は決して楽観的な見通しは持っていないが、同社内部ではもっとシビアにみているようだ。
サムスン電子の2013年7~9月期の営業利益は、10兆2000億ウォン。朝鮮日報によると、証券業界の予測値はおおむね6兆~7兆円ウォン台にまで下がると見込みだが、複数のサムスン幹部は5兆ウォン台前半と半分にまで低下する可能性を示唆したという。
とりわけ、スマホなどの携帯電話端末を扱う無線事業部が苦しい。朝鮮日報は「営業利益の70%を生み出していた無線事業部が突然苦境に陥り、サムスン電子全体が揺らいでいる」との関係者コメントを伝えた。
しかも、無線事業部には構造的な問題が指摘され始めた。
過去2~3年で組織が急膨張したことで、コントロールが働きにくくなっていると指摘があるというのだ。
飛ぶ鳥を落とす勢いの無線事業部からは昇進者が目立った。グループ全体の役員への登用は、22%が無線事業部だったという。
無線事業部の社長だけで6人。組織の肥大化で「市場の変化に対応してきた過去の強みが消えた」(サムスングループ幹部)との声がもれるという。
グループのプラント会社も統合
岐路に立っているのはサムスン電子だけでない。サムスングループ全体に及んでいる。旗艦のサムスン電子の業績が振るわず、ほかのグループ会社もテコ入れに迫れられているからだ。
最近では9月1日、海上・造船プラントのサムスン重工業が陸上プラントのサムスンエンジニアリングを12月1日付で吸収統合すると発表した。
ロイター通信は、両社の売上高合計が約25兆ウォンにのぼると報じた。サムスン重工業は「石油メジャーを含む顧客に対して陸上と海上の両面にわたる総合的なソリューションを提供することが可能になる」との声明を出した。
サムスングループで実質的に持ち株会社の役割を果たしているサムスンエバーランドが2013年末、第一毛織の事業部門を買収。さらに今年6月にはサムスン総合化学とサムスン石油化学が合併したほか、7月は電気自動車(EV)向け電池などを扱うサムスンSDIが第一毛織を統合した。
聯合ニュースによると、サムスンSDIは、第一毛織のバッテリーセパレーターなどの技術を取り込んで、競争力を強化できると説明。第一毛織は、1954年に設立されたサムスングループの母体を担う名門だが、再編の中枢に置かれた形だ。
ウエアラブル端末は救世主たるか
ただこうしたグループ再編が実現しても、収益強化に向けた基盤を整えたに過ぎず、成果が出るのはまだ先だ。“サムスン共和国”のドン、李健煕(イ・ゴンヒ)サムスン電子会長が長期入院にある中、事業承継への布石とも見方もある。
中国勢の追い上げ…「装着型」不発なら終末?
世界最大級の家電見本市「IFA2014」の開幕地となったベルリンで、サムスン電子は3日、身に着ける「ウエアラブル(装着型)端末」の新型を発表した。
スマホ市場が飽和状態に陥る中、ウエアラブルは今後の急成長の糧としての期待がかかる。
だがサムスン電子の最大のライバル、米アップルも9月中に初の腕時計型の端末を発表するとの観測があるほか、スマホでは中国勢の追い上げはゆるまない。
サムスン電子にとって、新型端末が不発に終われば、市場の目は厳しくなるのは必至で、サムスン頼みの韓国経済は一段と苦境に立つ恐れがある。