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時代を見通す日本の基礎情報

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韓国財閥、“親中反日”路線で苦境 

韓国で財閥と呼ばれる企業グループの経営破綻が相次いでいるが、財務状況が弱体化している財閥はほかにもある。韓国のシンクタンクは、負債比率が過大で、本業の儲けだけでは借金の利息も払いきれない窮状に陥った企業グループの実名リスト(別表)を公表、日本人になじみのある企業も含まれている。朴槿恵(パク・クネ)政権の「親中反日」路線が韓国経済に悪影響を与えるなか、新たに破綻する財閥は出てくるのか。

 韓国のシンクタンク、経済改革研究所は今月公表したリポートで、財閥など40の企業グループの財務分析を行っている。

 そこで重視されているのが2つの指標だ。1つは「連結負債比率」。企業の純資産に対する負債額を示すもので、原則としてこの比率が大きいほど、財務基盤が脆弱(ぜいじゃく)とされる。リポートでは「負債比率200%(負債額が純資産の2倍)」を危機ラインとしている。

 韓国の公正取引委員会も財閥の負債比率を発表しているが、同研究所は「系列会社間の出資と内部取引が重複されており、財務状況が過大評価されている」といい、系列間の内部取引を除外して算出している。

 もう1つの指標は「インタレスト・カバレッジ・レシオ(ICR)」。本業の儲けである営業利益が支払い利息をどの程度上回っているかを示す指標だ。これが1倍未満だと、グループ全体の営業利益だけでは金融費用をカバーできない危険な状態を意味する
こうした財務分析の結果、別表に列挙されているのが、連結負債比率が大きい20の企業グループ。その中でも、ICRも1倍未満なのが、現代(ヒュンダイ)、韓進(ハンジン)、斗山(トサン)、東部、暁星(ヒョースン)、韓国GM、ハンラ、韓進重工業、東国製鋼、大成(テソン)の10グループだ。リポートではこれらの企業グループについて、「営業利益で利子費用を補えないため、構造調整(財務や事業の改革)が必要な状況」と分析している。

 具体的にみると、負債比率895%と、負債額が純資産の約9倍にのぼる高水準で、ICRもマイナスなのが現代グループ。同グループは長年韓国最大の財閥だったが、1997年のアジア通貨危機をきっかけに、現代自動車や現代重工業といった主力企業グループが離脱、いまは現代商船、現代証券などを傘下に抱える。リポートでは「2年連続の営業赤字で、独自の構造調整をせず、不動産投資を行ってきた。財務構造が悪化し続けた場合、3兆2000億ウォン(約2976億円)の借入金と1兆6000ウォン(約1488億円)の社債により金融市場の大災害が懸念される」と警告した。

 傘下に大韓航空を抱えることで知られる韓進グループも「財務構造が急速に悪化しているが、改善されていない」とし、6兆ウォン台の借入金と6兆7000億ウォン台の社債を発行しているとした。

 斗山グループについては「改善の余地はある」としつつも、傘下の建設会社が「莫大(ばくだい)な損失で財務的に苦しい」。東部グループも傘下の製鉄会社が2年連続赤字だとしている。また、暁星グループは、会長一族が巨額脱税の疑いで捜査を受けている。
このリストには、すでに破綻した熊津(ウンジン)、STX、東洋グループなどの財閥は含まれていないが、11年に発表された前回リポートでは、「不良の兆候が明確に現れており、財務分析の予測力が高いことを示した」という。

 リポートでは全体的な傾向として、「世界的な金融危機により08年度の負債比率が急激に増加し、その後改善されたが、11年度以降再び増加している」と警鐘を鳴らす。

 韓国企業の7~9月期決算では、サムスン電子が過去最高の業績を記録したことに目を奪われがちだが、それ以外の大企業は総じて低調だ。

 企業文化研究所理事長の勝又壽良氏は韓国企業の不振について、「皮肉なことに朴槿恵(パク・クネ)政権がご機嫌うかがいをしている中国の影響が大きい」とみる。

 「景気失速で過剰設備を抱える中国企業は、そのはけ口として韓国市場に猛烈な安値攻勢をかけており、韓国の製造業は苦境に立たされている」と解説する。

 主要な取引先であるはずの日本も、朴政権の強硬な反日姿勢や戦時徴用をめぐる日本企業に対する異常な判決、アベノミクスによる円安ウォン高などを受けて、韓国の対日輸出は下げ止まらず、日本から韓国への投資も大幅に減っている。

 新たに破綻する財閥が出てくるのもそう遠くないかもしれない

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