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日本を取り巻くアジア情勢の変化 世界の情報を辛口で伝える情報部ログ 世の中はめまぐるしくかわっていきます その中で取り残されない為の情報をお伝えします Changing Asian situation surrounding Japan Tell the world information by information Department log The world is rapidly mood In order not to lag behind in its informed the <a href="https://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=3BDZ68+72TSYA+4IRQ+5YJRM" rel="nofollow">なんでもまとめてお売りください!宅配買取「いーあきんど」</a> <img border="0" width="1" height="1" src="https://www19.a8.net/0.gif?a8mat=3BDZ68+72TSYA+4IRQ+5YJRM" alt="">
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しかし問題は、中国が設定した防空識別圏はまったく異質なものであるということだ。
まず1つ、中国が設定したこの識別圏には、尖閣諸島上空の日本の領空も含まれている。他国の領空を自国の防空識別圏に入れてしまうようなことはまさに前代未聞の乱暴なやり方であり、日本にとっては当然、断固として拒否すべきものである。
実はそれよりもさらに大きな問題となっているのは、中国の設定した防空識別圏は、中国領空に接近する航空機だけでなく、空域を飛行する航空機全般を対象とするものだということである。しかも中国は、設定空域を航行する航空機に飛行計画の事前届け出を求め、識別に協力しない、または指示を拒否した航空機に対しては、中国軍が「防御的緊急措置」を行うと警告しているのである。
中国は、自分たちが設定した識別圏を事実上の領空にしてしまい、この空域における他国機の航空の自由を奪おうとしているのである。あたかも公共道路に隣接する一軒の家が、公共道路までを自分の家の一部に「設定」し、道路を歩くすべての人々に「俺の許可をもらえ」と命じたかのような荒唐無稽な話である。
つまり、中国の狙うところは、普通の防空識別圏の設定ではなく、特異な防空識別圏の設定による事実上の「領空拡大」なのである。それこそが問題の本質なのである。
もちろん、自国の領空を広げて、東シナ海上空における航空の自由をすべての国々から奪おうとするこの覇権主義的暴挙は、一番の当事者である日本はもとより、アジア地域の秩序維持に多大な関心を持つアメリカも許すわけにはいかない。実際、中国の設定した防空識別圏には戦闘機訓練のために日本政府が在日米軍に提供している沖縄北部訓練区域の一部が含まれているから、中国の要求する通りなら、米軍機の日常的飛行訓練もいちいち中国に通告して許可をもらわなければならない。それは当然、米国が受け入れられるものではない。
案の定、防空識別圏設定直後から、日本政府は中国に猛抗議してそれをいっさい認めない立場を強く表明したのと同時に、アメリカ政府も間髪を容れず反対の立場を表明した。
中国側の防空識別圏設定発表当日、米政府はまずこの一件に関し、地域の緊張を高めるとして「強い懸念」を中国側に伝えた。そしてケリー米国国務長官と、ヘーゲル米国国防長官は相次いで中国の防空識別圏設定を批判する声明を出した。
ヘーゲル長官は声明の中で、中国側の一方的な行動を強く非難した上で、防空識別圏の設定でも「この地域における米軍の軍事作戦の遂行に一切変更はない」と宣した。中国の挑発を受けて立つ米国の毅然とした姿勢が明確に示された。
米国防総省のウォレン報道部長も25日、中国が設定した防空識別圏を認めず、中国側の要求には応じないとの方針を強調した。
ウォレン氏は中国側が、米軍などの航空機が飛行する際、経路の通報など4点を要求していると指摘したうえで、「われわれは識別圏を飛行する際、(中国に)飛行計画を提出せず、無線周波数などを認識させることもしない。米軍機は(中国が求める)措置を一切とることなく飛行できる」と語った。
さらに「米軍は(日本などの)同盟国との軍事行動も含め、行動を変更するつもりはない。われわれは常に、自衛能力を保持している」と警告した。
上述のヘーゲル長官の声明とウォレン報道部長の発言は実に重要である。つまりアメリカ軍は中国の防空識別圏の設定、すなわち「領空の拡大」をいっさい認めないだけでなく、実際の軍事行動においてもそれを完全に無視して、中国が設定した空域への通常通りの飛行を今後とも行うことを宣言したわけである。
それに対して、中国政府と中国軍は最初はよりいっそうの強硬姿勢で対抗する素振りを見せていた。たとえば中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は25日、もし日本の戦闘機が中国の防空識別圏内で中国機の飛行を妨害するなら、中国の戦闘機も断固として日本の戦闘機の飛行を阻むべきだと主張した。それに続いて、26日には中国国防大学の孟祥青教授(上級大佐)は中国中央テレビ(CCTV)に対し、「外国の飛行機がわが国の防空識別圏に入れば、私たちの防空ミサイル部隊も警戒状態に入る」と語った。あたかも中国はすでに臨戦態勢を整えたのかのような好戦的な言い方である。
そしてこの同じ日に、中国空軍の申進科報道官(大佐)は、「中国人民解放軍は防空識別圏をコントロールする能力がある。安全を保障するため脅威に応じて適切な措置をとる」と述べた。それは当然、「米軍機は(中国が求める)措置を一切とることなく飛行できる」という米国防省のウォレン報道部長の上述の発言に対する中国空軍の正式な反応だと理解すべきであろう。つまり、もし米軍機が中国からの「許可」を得ずして防空識別圏に入ってきた場合、「適切な措置」、すなわち軍事的対抗措置をとることを、中国空軍が堂々と宣したのである。
この時点で、中国の防空識別圏設定をめぐっての日米両国と中国との対立は米軍と中国軍との対立に収斂してしまい、米中はまさに一触即発のような全面対決の様相を呈していたのである。
そして周知のように、この「世紀の対決」に電光石火の決着をつけたのは結局、米軍による敢然とした行動であった。
日本時間11月26日、米軍のB52爆撃機2機は、中国が東シナ海上空に設定した防空識別圏内を事前通報なしに飛行した。そして米国側の発表によると、中国側から2機に対する呼びかけや戦闘機の緊急発進(スクランブル)はなかった。
2機はグアムのアンダーセン空軍基地を離陸し、防空識別圏内に入った。尖閣諸島(沖縄県石垣市)の上空周辺を飛行した後、アンダーセン基地に帰還したという。
当時、固唾をのんで事態の推移を見守っていた筆者は、このニュースを耳にした時、さすが米軍、よくやったではないかとの感銘と、重大な事態になるのではないかという懸念が一瞬頭をよぎった。中国軍が「防空ミサイル部隊が警戒状態に入った」と公言した中で、中国に対する事前通報なしで、しかも爆撃機による中国の防空識別圏の通過は、中国政府と中国軍に対するあまりにも大胆不敵な挑戦行為だからである。
しかし意外だったのはむしろ中国軍の反応の仕方である。中国軍は結局、米軍の爆撃機に対しては警告もしなければ緊急発進もすることなく見守っていただけであった。爆撃機通過の翌日、中国国防省は「中国軍は(米軍機の)全航程を監視し、直ちに識別した」との談話を発表したが、それは逆に、彼らは単に「監視」していただけで、何の行動もとらなかったことを自白したようなものである。
つまり中国軍は米軍機の防空識別圏「侵入」に何の反応も示さなかったわけである。その直前の数日間、中国軍関係者が「臨戦態勢」を示唆したり「緊急措置」をとることを公言したりして対決への「決意」を語ってみせたが、いざ米軍機が入ってきた時、彼らは結局何もしなかったのである。
また、28日には日本政府も自衛隊機が中国の防空識別圏内を飛行したと発表。日本の自衛隊に対しても、中国軍はいっさい反応しなかったという。
つまり中国は結果的に、日米両国の軍機による通報なしの防空識別圏通過をいとも簡単に許してしまったが、前後の経緯からすればそれは当然、中国軍と習近平指導部の面子の丸つぶれを意味するような大失態なのである。
だがこの出来事の持つ意味は単に中国の面子を潰しただけの話ではない。防空識別圏の一件をめぐる日米と中国との攻防はこれで勝敗を決めたわけである。
ここでの重要なポイントは、中国の設定した防空識別圏は単に「識別」するだけの普通の識別圏ではなく、他国機の通過に「事前通報」を強要してその飛行の自由を奪おうとする特異なものだ、という点である。つまり、防空識別圏の「領空化」こそが中国側の狙いであり、問題の本質なのであるというのは前述の通りだ。
そしてそれに対して、日米両国はいっさい認めない姿勢を示しただけでなく、実際に軍機を派遣して事前通報なしの自由な飛行を敢行した。しかしそれに対して中国側はいかなる反応も「対抗措置」もとることができなかった。要するに、この時点では中国側の設定した「特異な」防空識別圏はすでに日米両軍によって破られてしまった、骨抜きにされてしまったのである。
中国側はその後、米軍機と自衛隊機を「識別し監視している」と発表したが、しかしそれでは彼らの防空識別圏は「普通の」防空識別圏に戻ったことを意味する。つまり、防空識別圏の「領空化」を狙う中国の目論みは失敗に終わったのである。
中国の敗退に追い討ちをかけているかのように、韓国国防省も27日、海軍の哨戒機1機が26日、中国が設定した防空識別圏内の上空を、中国に通報せず飛行したことを明らかにした。
このニュースが中国国内に伝わると、「わが国の防空識別圏はただの公衆トイレ、誰でも自由に入って小便して帰る」という下品なジョークが直ちに中国のネット上で流行ることとなったが、中国政府の失態と失敗は中国国民の知るところとなっていることが分かる。
おそらく国民の厳しい目を意識したのであろうか。中国国防省は28日になって、東シナ海上空の防空識別圏に入った自衛隊機と米軍機に対し戦闘機の緊急発進(スクランブル)を行ったと発表したが、それに対し、日本の小野寺五典防衛相は30日午前、「急に航空機が接近してくるなど特異な状況として公表する事態はない」と否定した。米政府筋も29日、中国側の「緊急発進」の発表に関し、「中国の警戒・監視能力を誇示し、米軍と自衛隊を牽制するための宣伝だ」との見方を示した。
要するに中国政府はただ、自分たちの失敗を内外から覆い隠すために、「緊急発進」したという嘘の発表を行ったのであろう。そしてその時からこの原稿を書いている12月14日現在に至るまで、米軍機も自衛隊機も通常通り東シナ海の上空を飛行しているはずなのに、中国側からもはや「緊急発進」したとの発表が一切ない。決着はすでについたのである。
以上が、11月23日の中国の防空識別圏設定から一週間の、日米対中国の攻防戦の一部始終である。ここで強調しておきたい最大のポイントはすなわち、特異な防空識別圏の設定によって事実上の「領空拡大」を計ろうとする中国の企みは、この一週間の攻防戦においてすでに完全に失敗に終わったということである。そして、中国側の敗退によって、彼らの設定した防空識別圏はその「特異」な部分が骨抜きにされ、普通の防空識別圏になっていること、の2点である。
そしてこの2つのポイントをきちんと理解すれば、11月末から12月にかけての一連の動きの意味が自ずと分かってくるのであろう。
たとえば米政府は29日、米航空各社に対し中国が設定した防空識別圏を米民間航空機が通過する際、飛行計画の事前提出など中国側の要求に従うよう促したことが「日米の足並みの乱れ」とも捉えられているが、おそらくアメリカ側は、軍事的意味において中国の防空識別圏をすでに無力化してしまった以上、そして戦略的にすでに中国に勝ってしまった以上、最後のところは大国としての中国の最低限の面子を保って両国関係を維持していくためには、民間機だけの事前通告の容認もやむを得ないとの判断に傾いたのであろう。大失態を演じた習近平政権をよりいっそうの窮地に追い詰めたくないというオバマ政権の思いもあったと思う。
その後、日本と中国を訪問したバイデン米副大統領は日本側の要請を拒否して、中国に対する防空識別圏の撤回を求めなかったことも問題とされているが、よく考えてみれば、アメリカにしてみれば、特異な防空識別圏の設定によって「領空拡大」を計る中国側の企みはすでに失敗に終わった以上、そしてそれによって中国の防空識別圏はすでに普通の防空識別圏になった以上、あえてその撤回を求めなくても良い、ということであろう。
もちろんアメリカ政府はそれでも、中国の防空識別圏を認めない姿勢を貫いている。バイデン副大統領が中国に訪問し習近平国家主席と会談した翌日の、12月4日のホワイトハウスの発表によると、バイデン副大統領は習近平国家主席との会談において中国が東シナ海上空に設定した「防空識別圏を認めない」と伝え、深い懸念を表明したという。
そしてバイデン米副大統領自身も会談後の6日、習近平国家主席ら中国指導部と北京訪問時に会談した際に、中国の防空圏内での米国の作戦行動は「影響を一切受けない」として、緊張を高める行動を起こさないように中国側に明確に伝えたとしている。
12月12日夜、バイデン米副大統領は日本の安倍晋三首相とも電話会談したが、その中ではバイデン氏は、4日に訪れた中国で習近平国家主席と会談した際、中国の東シナ海上空の防空識別圏設定について「認められない」と直接伝えたことを報告した。
バイデン副大統領本人からのこの一連の発言からしても、「バイデン氏が訪中中に中国側のペースに乗せられて防空識別圏問題に関する態度が軟化した」という一部の報道や分析は単なる憶測であるとよく分かろう。中国との攻防に事実上の決着をつけた後に行われたバイデン副大統領の訪中は、この問題だけに固執するのではなく、むしろ中国との建設的な関係作りに前向きの姿勢を示すような流れとなったのは、外交的にはむしろ普通のことであろう。
実は大変興味深いことに、バイデン副大統領が中国の習近平国家主席との会談において防空識別圏について「認めない」という発言は、中国政府の公式発表からも中国メディアの報道からも一切姿を消している。あたかもバイデン氏が中国滞在中にこの問題について発言していなかったかのような報道の仕方だ。それほど必死になってバイデン氏の発言を国民の目から覆い隠そうとする習近平政権の行動は逆に、自分たちがこの一件で大きな失敗を喫したことを、彼らはよく知っていることの証拠ではないかと思う。