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古代ローマ帝国崩壊の一因に「マラリア」感染があったという説がある。中国でも疫病で、いくつかの王朝が倒れている。周王朝は「大疫」、明王朝は「天然痘」、清王朝では「ペスト」で崩壊したとされる。
中国湖北省武漢市で発生した、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大は中国全土から、世界各国に広がっている。すでに、2003年に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)の感染者数を上回った。
世界保健機関(WHO)が1月30日、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」と宣言したことで、中国株式相場は大幅に下げ、人民元も年初来最安値まで下げた。習近平国家主席には最も避けたかった悪夢だ。
SARSで、中国の経済成長率は2%落ち込んだ。今回も同様ならば、2019年のGDP(国内総生産)成長率は6・1%なので、20年は約4%となる。習氏は3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)までに収束のメドを立てられない場合、窮地に立たされるだろう。
すでに習氏が4月に予定していた「国賓」訪日の延期もささやかれている。まさに習氏の政治的基盤を脅かす危機的状況である。
一方のドナルド・トランプ米大統領は、笑いがとまらないだろう。
現在、トランプ氏は大統領選挙と弾劾裁判の最中にいる。中国が新型肺炎でダメージを受ければ、米国は米中貿易戦争の勝者となる。ウィルバー・ロス商務長官は「感染拡大で、米国に雇用が戻ってくる」と喜びの声を上げている。トランプ氏の大統領選挙にも一番の朗報である。
米上院の弾劾裁判は1月31日、野党・民主党が要求したジョン・ボルトン前大統領補佐官らの証人尋問について、反対多数で否決。トランプ氏のウクライナ疑惑について2月5日に評決すると決定した。上院は与党・共和党が多数を占めており、トランプ氏は無罪となる見通しだ。
こうしたなか、米国政府は1月30日、中国全土への渡航勧告について、4段階のうち最高の「渡航中止・退避勧告」に引き上げた。翌31日には、新型肺炎について「公衆衛生上の緊急事態」を宣言し、過去2週間以内に中国渡航歴がある外国人の入国を拒否すると発表した。
中国発の「パンデミック(感染爆発)」という、最悪の事態に備えた対応をしている。
これに対し、安倍晋三政権は危機意識がやや薄弱に感じる。
世界各国は中国全土からの入国者の規制を強めているが、日本は先週末、湖北省発行の中国旅券所持者と、2週間以内に湖北省に滞在歴のある外国人の入国禁止を発表した。世界の主要航空会社は続々と「中国便停止」を発表しているが、日本の航空会社は中国便を運航している。
日本でのインバウンド・ビジネスも大事だが、日本国内で新型肺炎が蔓延(まんえん)したら、今度は「安倍政権の危機」となる。もし、東京五輪・パラリンピック直前まで感染拡大が続いていたら、大会は中止か延期となり、安倍政権の責任も重大となるだろう。
川上高司(かわかみ・たかし) 拓殖大学海外事情研究所所長。1955年、熊本県生まれ。大阪大学博士(国際公共政策)。フレッチャースクール外交政策研究所研究員、世界平和研究所研究員、防衛庁防衛研究所主任研究官、北陸大学法学部教授などを経て現職。著書・共著に『トランプ後の世界秩序』(東洋経済新報社)、『2020年生き残りの戦略-世界はこう動く!』(創成社)など。