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韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の仰天構想が、ネット上で批判にさらされている。2030年サッカーワールドカップ(W杯)を、日本と中国、南北朝鮮で共同開催するというのだ。「反日」傾向の強い3カ国との共催に、日本に何のメリットがあるのか。文氏の「北東アジアW杯」構想に対し、史上初の共催となった02年日韓大会の「後悔」を指摘する声が相次いでいる。
「初めてお会いしたとき、W杯の南北共同開催について申し上げたが、それが徐々に現実になってきている」
文氏は23日、訪問先のロシアで、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティノ会長にこう語った。昨年6月にも会談した際、「北朝鮮や北東アジアの隣国と共催できれば、平和醸成の助けになる」と伝えていたことが前提になっている。
「北東アジアの隣国」は日本と中国を指し、朝鮮日報(日本語版)は「W杯 文氏『30年大会は北東アジア共催』」と報じた。
この発言に対し、日本のネット上では、「絶対反対!」「日本を巻き込むな!」「02年の失敗を知らないのか」などと拒絶するようなコメントが殺到している。16年前の“苦すぎる記憶”が大いに影響している。
そもそも、日本は単独開催を目指して1991年に招致委員会を発足させた。韓国は93年に立候補を表明し、FIFAの人脈を駆使して招致活動を展開。半ば強引に日韓共同開催となった。
大会の国名表記も、韓国側が「Korea/Japan」「韓国・日本」とすることに固執し、日本側は反発した。結局、日本語の公式表記では国名を省略した。
また、大会直前の01年米同時多発テロの影響で、韓国は不況に陥り、大会開催が危ぶまれた。決勝トーナメントの韓国戦をめぐっては、「審判買収疑惑」が浮上し、判定の公平性に疑問符がついた。
日韓の間ですら、事前調整は極めて難航しただけに、文氏の提案は現実的といえそうにない。
朝鮮近現代史研究所の松木國俊所長は「日本にとって、『北朝鮮の完全非核化』と『拉致問題の全面解決』が大前提だ。加えて、中国と南北朝鮮は、いずれも『反日』で、完全アウェーだ。決勝会場の選定などは難航するだろうし、安全面の不安もある。日本が共催に応じるメリットはない。大体、韓国が30年まで存続しているのか、疑問だ」と話している。