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トランプ米大統領は20日、オンラインで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議での演説で、米国の力強い経済成長を通じてインド太平洋地域の平和と繁栄の促進に取り組んでいくと改めて表明した。ホワイトハウス報道官が発表した。
トランプ氏がAPEC首脳会議に出席したのは、2017年にベトナムのダナンで開かれた会議以来2度目。同氏は大統領選で敗北が確実になって以降、公の行事にはほとんど姿を見せず、週末にゴルフで外出する以外は、ホワイトハウスで選挙結果を覆すための策を練っているとされる。
しかし、15日に日中韓などが参加する地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が署名に至るなど、中国が多国間協定を通じて地域への影響力を拡大させているのをにらみ、トランプ氏としても中国に対抗する狙いから会議に出席したとみられている。
ただ、ホワイトハウスの声明では、トランプ氏が通商問題で具体的な発言をしたとの言及はなかった。
首脳会議ではトランプ政権が離脱した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に関し、中国の習近平国家主席が参加への意欲を初表明したが、米政府からは公式の反応は出ていない。
次期米政権が、中国の外交攻勢をにらんだ貿易戦略の再構築を迫られるのは必至とみられる。
トランプ氏は会議で、新型コロナウイルス危機で悪化した米経済の「過去に例をみない立ち直り」を足掛かりに景気の回復に取り組んでいくと表明した。
また、米国が世界の保健衛生の分野でリーダーシップを発揮していくと強調し、新型コロナ用のワクチン開発などで国際的な主導権の確保を狙う中露を牽制(けんせい)した。