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時代を見通す日本の基礎情報

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ビジネスの現場から見た「慰安婦」虚構の大罪、国家的損失の大きさ

虚構に頬被りし、自虐的曲解をしてきた面々

 先月、産経新聞が大々的にスクープ報道したことで、河野談話の根拠とされてきた“元慰安婦16人への聞き取り調査が極めて杜撰だったこと”が浮き彫りにされました。

 もともと慰安婦問題は、吉田清治氏の小説「私の戦争犯罪-朝鮮人強制連行」を朝日新聞が真実のように世間に広めた「捏造」であり、著者本人が「創作フィクションであった」と認めたときに終止符が打たれるべきでした。ところが、最初から疑問を呈して来た産経新聞や、一部の政治家・有識者、そして産経に続き、後に朝日を糾弾した読売新聞などの正しい言説は、朝日、毎日新聞、NHK、左派政治家(自民党内左派宮沢派なども含む)などの“捏造派”、人権活動家たちの声の大きさにかき消され、広く世界に正論が認知されなかったという不幸をもたらせてしまったのです。

 しかも、そうした自虐的曲解の積み重ねが独り歩きしたことから、韓国マスコミ・政治に悪用され、転じて卑屈弱腰で史実確認を怠った宮沢内閣の加藤官房長官がまず「慰安婦へのお詫びと反省の談話」を、そして、次の河野官房長官が「慰安婦募集の強制性を認めた談話」を発表したことで、虚構がさも史実であったかのような錯覚を内外に与えてしまった次第です。事実が判明した今こそ、河野談話の撤回を通じて、韓国の政治利用と、米国ほか海外の一部政治や世論の扇動に止めを刺すべきではないでしょうか

■未曾有の国家的損失招いた責任は

 産経の報道によれば、河野談話は「事実判断ではなく、宮沢内閣当時の政府首脳のあやふやな心象にもとづいた政治判断」(当時の高官の証言)であり、政府が国内外、関係省庁、公文書館など、八方手を尽くして調べたにもかかわらず、強制性を裏付ける証拠文書や証言、いかなる物的証拠も発見できなかったことが分っています。

 にもかかわらず、「日韓関係を良くするには、慰安婦たちの名誉回復にこだわる韓国側の要請をある程度認めれば、問題は収まると誤解した」宮沢内閣官房は、韓国側の要請と人選による元慰安婦の聞き取り調査、それも証言時間も短く、内容も限られた形式的での駆け足調査を容認し、検証と確認をも省いてしまったという大ポカを犯したのでした。

 事実より目先の拙速外交に猛進したつけは余りにも重く、聞き取り証言には大きな誤り・明白な偽証があり、さらに矛盾点・疑問点が数多くあるとの指摘も無視して談話発表を急いだ河野元官房長官は、日本外交史上、未曾有の国家的損失を招きました。その罪は万死に値すると言っても過言ではないでしょう。

 こうした「初めに謝罪ありき」の誤れる河野談話は“日本政府が正式に強制連行を認めた”と世界で受け止められる契機となり、韓国側の一方的な扇動をもたらし、米国各地で慰安婦像がたてられました。さらに米やカナダ・オランダなどの下院では慰安婦問題に関する決議がなされ、国連人権委員会には非難報告書が提出されました。これらによって、日本は欧米のマスコミや人権活動家から「性奴隷の国」と、いわれなき誹謗中傷を受けるに至ったわけです。

慰安婦問題に関して、これまでに国会の決議を行った外国は、米、オランダ、カナダ、EU、韓国、台湾です。私はそのうちの2カ国(アメリカ、カナダ)を市場として、17年間ビジネスをしてきましたが、“セックススレイブ”や“日本軍の韓国人女性に対する人道問題”について、問いただされたことが、何度かありました。

 もちろん言下に否定し、史実を話しておきましたが、おそらくビジネスの世界だけでなく、政治・外交・文化・学術界でのこれら6カ国・地域では、一般国民の日本人観はかなり悪くなったことでしょう。「慰安婦強制連行」の虚構が20年間にわたって多大な実害をもたらしてきたことは、否定しえない大問題だと考えております。

■虚偽の調査資料を世界へ公表すべし

 今、日本の政府と国会に求められているのは、河野談話の根拠となってしまった虚偽の調査報告書を世界に向けて公開することです。そして、当時の政治外交的経緯を改めて精査し、河野談話の撤回を含め、あらゆる国際的誤解を正す本格的指針と対策を打ち出す行動を起こすとともに、積極的な国際社会向けの発言を強化すべきではないでしょうか。

 さらに、元来「戦時勤労動員制度」の「女子挺身隊」(元々、工場などへの戦時動員制度)を故意か曲解か、これを「従軍慰安婦狩り」などと報じた朝日をはじめとする多くのメディアも、ジャーナリズムの正義に立ち戻って自らの「誤報」を真摯に反省すべきです。元々“つくり話だった”ことを認めた吉田清治元軍人の書いたものや無責任なしゃべりを確認・検証せず、垂れ流し記事にしてきた過ちに対して素直に認め訂正し、日本国と国民の名誉を汚した件に関する謝罪記事を掲載することを切望します。

 現代史家の秦郁彦氏は、10月23日付産経「正論」で、「慰安婦で寝た子起こしたのは誰」と題して、この問題で日本を現在のような窮地に追い込んだ責任の所在について、「捕えてみれば、愉快犯と見えなくもない“わが子”なり」と断じております。

 まずは朝日新聞の虚報の数々、吉見義明中央大教授(当時)の「慰安所に軍の関与」「謝罪と補償を」の呼びかけ、既述の吉田氏の詐話、そして、国連人権委員会活動で「慰安婦」を「性奴隷」と呼称させる働きかけをした日弁連・戸塚悦朗弁護士(当時)の言動。それらの支援組織とマスコミ、ひいては、彼らが連携して加える圧力に屈服し、河野談話という「冤罪事件」が演出されたのだと断罪されておられます。

 この際、秦氏をはじめとする有意の歴史学者や政治・国際評論家たちも、学術的・社会史的な検証を進め、虚報や国際的社会活動の動機と史実を解明され、それを内外に向け発信してもらいたいものです。

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