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時代を見通す日本の基礎情報

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北朝鮮の「核兵器弾頭化」にまつわるマスコミの“楽観報道”と“捏造批判”




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 北朝鮮はすでに、「核兵器の小型化・弾頭化」を実現している。論拠を挙げよう。

 2015年版までの「防衛白書」(防衛省)はこう書いていた。

 「北朝鮮が核兵器の小型化・弾頭化の実現に至っている可能性も排除できない

 なるほど、北朝鮮を含め人間社会では、どんな可能性も排除できない。いかにも役人らしく腰が引けた表現だ。案の定、北朝鮮は翌16年1月に核実験を強行、「水爆実験に成功した」と豪語した。

 もはや防衛省として、従来の認識を踏襲するわけにはいかない。翌16年版の白書で表現をこう修正した。

 「北朝鮮が核兵器の小型化・弾頭化の実現に至っている可能性も考えられる

 案の定、北朝鮮は翌17年に相次いで新型の弾道ミサイルを発射した。当時、私は「2017年度版の『防衛白書』は再び記述の修正を迫られよう」と書いた(=『安全保障は感情で動く』文春新書)。

 さて、同年の白書はどうしたか。

 「北朝鮮が核兵器の小型化・弾頭化の実現に至っている可能性が考えられる

 一見分かりにくいが、右のとおり「」→「」と、一字だけ微妙に修正した。霞が関文法上は、この一字違いが大違いとなる。

 翌18年版の白書も表現を踏襲したが、今年の『防衛白書』は三たび記述の修正を迫られよう。なぜなら、昨年12月18日に閣議決定された「平成31(19)年度以降に係る防衛計画の大綱」でこう明記されたからである。

 「核兵器の小型化・弾頭化を既に実現しているとみられる

 霞が関文法にのっとりとみられる」と逃げを打ってはいるが、右のとおり明記された意義は重い。

 しかも、防衛大綱は「既に実現している」と、いわば現在完了形(ないし過去形)で明記した。ならば、いつ「実現」したのか。そう突っ込む主要メディアは一社もない。

 それどころか、NHK以下みな、防衛大綱で最も注目すべき「北朝鮮の核兵器弾頭化」という指摘をスルーしたあげく、海上自衛隊最大のヘリコプター搭載護衛艦いずも」の改装を「空母いずも」と騒ぎ立て誇張や捏造(ねつぞう)の批判に終始した。

 これまで楽観報道を続け、北朝鮮の核脅威を指摘してきたわれわれを「扇情報道」と揶揄(やゆ)した不明を恥じることなく、今も同じ大学教授や自衛隊OBらを起用する。マスコミ御用達の「識者」と口をぬぐい頬かむりを決め込む。まさに厚顔無恥な連中ではないか。(評論家・軍事ジャーナリスト、潮匡人)

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 北朝鮮はすでに、「核兵器の小型化・弾頭化」を実現している。論拠を挙げよう。

 2015年版までの「防衛白書」(防衛省)はこう書いていた。

 「北朝鮮が核兵器の小型化・弾頭化の実現に至っている可能性も排除できない

 なるほど、北朝鮮を含め人間社会では、どんな可能性も排除できない。いかにも役人らしく腰が引けた表現だ。案の定、北朝鮮は翌16年1月に核実験を強行、「水爆実験に成功した」と豪語した。

 もはや防衛省として、従来の認識を踏襲するわけにはいかない。翌16年版の白書で表現をこう修正した。

 「北朝鮮が核兵器の小型化・弾頭化の実現に至っている可能性も考えられる

 案の定、北朝鮮は翌17年に相次いで新型の弾道ミサイルを発射した。当時、私は「2017年度版の『防衛白書』は再び記述の修正を迫られよう」と書いた(=『安全保障は感情で動く』文春新書)。

 さて、同年の白書はどうしたか。

 「北朝鮮が核兵器の小型化・弾頭化の実現に至っている可能性が考えられる

 一見分かりにくいが、右のとおり「」→「」と、一字だけ微妙に修正した。霞が関文法上は、この一字違いが大違いとなる。

 翌18年版の白書も表現を踏襲したが、今年の『防衛白書』は三たび記述の修正を迫られよう。なぜなら、昨年12月18日に閣議決定された「平成31(19)年度以降に係る防衛計画の大綱」でこう明記されたからである。

 「核兵器の小型化・弾頭化を既に実現しているとみられる

 霞が関文法にのっとりとみられる」と逃げを打ってはいるが、右のとおり明記された意義は重い。

 しかも、防衛大綱は「既に実現している」と、いわば現在完了形(ないし過去形)で明記した。ならば、いつ「実現」したのか。そう突っ込む主要メディアは一社もない。

 それどころか、NHK以下みな、防衛大綱で最も注目すべき「北朝鮮の核兵器弾頭化」という指摘をスルーしたあげく、海上自衛隊最大のヘリコプター搭載護衛艦いずも」の改装を「空母いずも」と騒ぎ立て誇張や捏造(ねつぞう)の批判に終始した。

 これまで楽観報道を続け、北朝鮮の核脅威を指摘してきたわれわれを「扇情報道」と揶揄(やゆ)した不明を恥じることなく、今も同じ大学教授や自衛隊OBらを起用する。マスコミ御用達の「識者」と口をぬぐい頬かむりを決め込む。まさに厚顔無恥な連中ではないか。(評論家・軍事ジャーナリスト、潮匡人)

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