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相変わらず慰安婦を「性奴隷」とするなど、委員らの思い込みや偏見に基づいており、受け入れられない。
報告書は、日韓両国政府が慰安婦問題の最終的解決を確認した平成27年の合意などに触れ、元慰安婦ら被害者中心の取り組みになっていないという。
しかし、日韓合意に基づく支援事業を元慰安婦らの多くが受け入れていることなど、事実経過を無視している。
韓国以外の元慰安婦への対応を含め日本が冷淡で何もしてこなかったかのような批判も誤りだ。
戦後賠償問題は解決済みとの原則の下で、できる限りのことをしてきた。民間の寄付によるアジア女性基金を通じ、元慰安婦らへの償い金を支払うとともに、首相名で心からのおわびと反省を表す手紙を渡してきた。
韓国では、多くの元慰安婦が国家賠償ではないとして償い金の受け取りを拒否した。それは韓国側の事情による。問題を蒸し返しているのは韓国なのだ。
報告書で慰安婦問題を「軍による人権侵害」などと言及していることも看過できない。
「慰安婦狩り」に関わったとする吉田清治証言などにより、強制連行された「性奴隷」との誤解が世界に広まった。吉田証言が嘘と分かり、強制連行説が崩れた後も、「自由が奪われた」などと女性の人権問題にすり替えられ批判されている。
対日審査で、委員から「性奴隷」との表現が使われたことに、日本政府が抗議した。だが「1990年代から国連機関で使われている」と反論されたという。
「性奴隷」と決めつけたのは、国連人権委員会のクマラスワミ報告書が代表例だが、引用された吉田証言のほか、依拠する豪州ジャーナリストの著作に誤りが多いことが分かっている。出てくる元慰安婦らの証言に根拠はない。
対日勧告に対し、菅義偉官房長官は「日本政府の説明を十分踏まえておらず、極めて遺憾」などと述べたが、さらに厳しく撤回を迫るべきだ。「性奴隷」との言葉が国連委員会でまかり通っているのも、事実による明確な反論を怠ってきたツケである