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父は第二次世界大戦にも従軍した米海軍の軍人で、母は神戸市出身の日本人。1958年に米国に移り、南部テネシー、フロリダ両州で育った。
遊び相手の父親や祖父の中には、大戦で旧日本軍と戦った人もいた。日本語をあまり話せないのも、「息子を環境になじませようとした母が、日本語を教えなかったからだ」という。少年には難しい環境だったに違いないが、「母のおかげで乗り越えられた」と振り返る。
その母に幼少の頃から教えこまれた価値観は「義理(duty)」。「6、7歳の子供が理解するにはとても重い概念だった」と話す。父が軍人だったこともあり、「国民は国家が必要とするときに奉仕する」ことを当然とする姿勢を身につけ、高校時代に海軍を目指すことを決意した。
米軍の主要ポストにはヒスパニック系やアフリカ系米国人などが就任してきた。「多様性が米国を強くする。この点を潜在的な敵対国にも、友好国にも分かってもらいたい」。時折、人懐こい表情が浮かぶ。
好きな本は、大戦前に日本人外交官と結婚し、日米の平和の懸け橋になることを目指した米国人女性の著作「太陽にかける橋(邦題)」。悲劇を繰り返さないとの強い思いが伝わってきた