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時代を見通す日本の基礎情報

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東映・岡田会長を襲った「急性大動脈解離」 高血圧や動脈硬化の人がなりやすく予兆なし

急性大動脈解離のため18日に急逝したことが明らかになった東映グループ会長の岡田裕介氏。日本映画界を支える存在として、まだ71歳で現役バリバリだっただけに映画界に与えた衝撃は大きい。しかしこの病気は、決して他人事ではないことを誰もが心しておくべきだ。

 岡田氏は18日午後、東京都内の自宅で映画『いのちの停車場』の打ち合わせの最中に突然倒れ、病院に搬送されたが、そのまま帰らぬ人となった。その日の午前も普通に出社していたこともあって、誰もが驚きを隠せない。

 西武学園医学技術専門学校東京校校長で医学博士の中原英臣氏は、「急性大動脈解離は血管の壁がもろくなり、裂けてしまう状態だ。予兆はないが、起きると強烈な痛みや吐き気に襲われ、突然死に至るケースのある恐ろしい病気。基本的に高齢者が多く、高血圧や動脈硬化のある人がなりやすい」と解説。

 一方で「血圧が上昇する冬の気温の低さも関係した可能性もある」と誰でも起きうる危険性を指摘。しかし、「一昔前は一度で亡くなる例も多かったが、現在は人工血管など治療法が進み、手術で助かるケースもある」という。

中原氏は「高血圧と動脈硬化は生活習慣病にあたる。塩分や脂質の多いものを控えるなどの食生活を心がけたほうがいい。2つの病気は現在は人間ドックで発見できるため、降圧剤やコレステロールを下げる治療薬もあるため、処方を受けるのもいい」と語った。

 岡田氏は、「映画界のドン」といわれた元東映名誉会長、岡田茂氏(2011年死去)の長男。俳優の石坂浩二(79)に似た甘いマスクで慶応大在学中にスカウトされ、1969年に俳優デビューした。

 70年代半ばからはプロデューサーとして活躍するようになり、高倉健さん(2014年死去)と吉永小百合(75)の初共演作『動乱』(80年)などを製作。

 東映入社は88年。映画界でも熱烈なサユリストとして知られ、吉永の主演作を多数企画した。そして2002年に社長、14年からは東映グループ会長や日本映画製作者連盟会長を務めてきた。

 ◆吉永小百合「信じられないことです」 広瀬すず「あんなにお元気だったのに」

 東映グループの岡田会長の急逝を受けて、映画人からは惜別のコメントが相次いでいる

 その上で、予防法はないが、持病への注意が必要だという

岡田会長の数々の作品に出演してきた女優、吉永小百合は「信じられないことです。お疲れがたまっていらしたのですね。これから映画の完成まで、どうぞお力を私たちに与えてください。見守ってください」とコメント。今年8月には親交が深かった俳優、渡哲也さん(享年78)を失ったばかりだけに悲しみはあまりにも深い

 『いのちの停車場』に出演している俳優、西田敏行(73)は「あまりにも急です。急すぎます。言葉がありません。ついこの間、撮影現場で冗談を言いあって笑ったのに。もうこの世に居ないんですか。今どっと淋しさと喪失の思いを全身で感じています」。

 同作に出演の女優、広瀬すず(22)も「最後にお会いしてからまだ1カ月もたっておらず、あんなにお元気だったのですごく驚いています。映画の現場にも頻繁に足を運んでくださり、いろんな面白い話をたくさん聞かせてくださいました」と思いをつづった。

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