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時代を見通す日本の基礎情報

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開票で“混乱必至”の米大統領選でカギ握る「連邦最高裁」と「下院選」

米大統領選は11月3日に投開票される。世論調査で優勢のバイデン氏が勝利するか、4年前と同様にトランプ氏が逆転するのかが注目だが、また、郵便投票などをめぐり長期間決着が付かないことも予想される。

 投開票は3日だが、郵送などの期日前投票があり、これが全体票の6割以上になると予想されている。新型コロナウイルスの影響であるが、この数字は想定外の大きさだ。

 日本では、郵便投票は身体障害者や重度の要介護者といった人たちに限られているが、米国では多くの州で認められており、コロナ下でその条件が緩和されている。

 日本で郵便投票が広く認められていないのは、不正の余地があるからだ。一方、米国の民主党が強い地域では、郵便投票は有権者の権利であり、広く認められるべきだという意見が多い。ただし、各州において不正防止の措置が実施されており、実際の不正はそれほど多くないという研究もある。

 もっとも、不正は皆無ではないので、選挙後に再集計を要求する訴訟が数多く提起されることは確実である。筆者は2000年の米大統領選当時、米国に住んでいたので、米国人の知人に頼んで実際の投票所に行った経験があるが、投票所でも不正がありえるほど緩い環境だった。郵便投票となれば、日本人のきまじめな感覚から見れば、不正の温床ともいえるだろう

実際に、同年の大統領選では、ブッシュ氏とゴア氏のフロリダ州の得票数が僅差であったため勝者が決まらず、最終的には連邦最高裁まで争われたこともある。

 今回の大統領選では、不正の余地の大きい郵便投票がこれまでになく投票に大きなウエートを占めるので、接戦州において、00年の大統領選と比較にならないほど、大きな混乱があるだろう。各州ごとに投票のルールが異なるのも、混乱に拍車をかけるはずだ。

 00年の大統領選の時には法廷闘争があり、投開票から1カ月以上後の12月12日の連邦最高裁判断まで勝者が確定しなかった。今回も、連邦最高裁判断になる可能性があるが、共和党系判事が多数を占めることも影響するかもしれない。

 いずれにしても、今回の混乱は00年時より長引く可能性がある。米大統領選は間接選挙なので、形式的には国民ではなく、国民から付託された各州の選挙人が大統領を選ぶ。規定では、12月14日に各州で選挙人選挙がある。憲法の規定では、選挙人選挙まで大統領が決まらない場合、各州ごとの下院が投票することになっている。全米50州のうち26州を獲得した者が大統領になる。

 実は、11月3日に行われるのは、大統領選だけではく、議会上院・下院の議員選挙も行われる。ポイントとなる下院の議員選挙は、定員の435人全てが改選される。となると、その動向も大統領選を左右する可能性がある

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