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【北京=西見由章】中国人民解放軍の建軍90周年を記念する祝賀大会が1日、北京の人民大会堂で開かれた。習近平国家主席(共産党中央軍事委員会主席)は「(他国への)侵略拡張は決して行わないが、いかなる人物や組織、政党が中国領土を分裂させることも絶対に許さない」と演説し、領土主権を守る決意と戦争への備えを強調した。「一つの中国」原則を認めない台湾の蔡英文政権や国境付近で軍事的緊張が高まっているインドを念頭に置いた発言とみられる。
北京の人民大会堂で行われた中国人民解放軍の創設90年を記念した式典。下手前は演説する習近平国家主席=1日(ロイター
習氏は「重要講話」と位置付けた演説で、「国の主権や安全を損なう不利益をわれわれが受け入れるなどと誰も期待してはならない」と言及。常に戦争に向けて準備を整え、より実戦を重視する姿勢を示した。中印両国はブータンを含む3カ国の国境付近で互いの越境を非難し、6月中旬から両軍のにらみ合いが続いている。習氏の発言はインドを牽制する狙いもありそうだ。
また習氏は、戦って勝てる「強軍」の建設とともに“党の軍隊”としての側面を強調した。「われわれの原則は党が銃(軍)を指揮することだ。銃が党を指揮することは決して許さない」。毛沢東の言葉を引用しながら党中央の指揮に従うよう軍に要求した上で「軍隊は党の指導と社会主義制度を断固として守らなければならない」と共産党統治の維持に貢献することも求めた。
北陸新幹線の長野-金沢間が14日に開通した。東日本と西日本をつなぐ動脈がまたひとつできた格好だ。海外輸出も検討される日本技術の結晶ともいえる「新幹線」に対し、世界はどう伝えているのか。マレーシア紙は「50年間、運行中の事故による死者は1人も出ていない」とし、高い安全性を称える。一方、中国紙は「速さでは中国が圧倒的だ」などと伝えている。
中国・鳳凰網「中国の鉄道は圧倒的な速さ」
中国・鳳凰網(電子版)が今年2月、世界の高速鉄道スピードランキング・トップ20を報じた。測定の基準は不明だが、トップは中国の韶関(広東省)-耒陽西(湖南省)間の和諧号24号で、時速316.6キロ。6位までを中国勢が占め、衡陽(湖南省)-韶関(広東省)間のG1011号が2位の313.4キロ、広州南(広東省)-長沙南(湖南省)間のG66号が3位の309.5キロと続いた。
記事では、日本の新幹線について、15位が広島-小倉間の「のぞみ1号、95号」(時速256キロ)、16位が岡山-広島間の「のぞみ53号」(同255.7キロ)、17位が新横浜-名古屋間の「のぞみ301号」(同246.6キロ)などと伝えた。
フランス、スペインの高速鉄道に次いで、日本勢で最速だったのは東北新幹線の「はやぶさ4号、5号」の大宮-仙台間(同263.4キロ)で13位だった。
中国では2011年、浙江省を走る高速鉄道で多数の死傷者が出る大事故が発生しているが、記事では「中国の鉄道は圧倒的な速さを誇っている」とも強調した。
マレーシアのマレー・メイル紙「東海道新幹線で、“高所得国”への野望実現を」
マレーシアでは、首都クアラルンプールと隣国シンガポールを約1時間半で結ぶ高速鉄道(全長約350キロ)の建設計画がある。2020年までの完成を目指してきたが、数年遅れる見通しだ。
昨年10月にはマレーシアの英字紙ニュー・ストレーツ・タイムズ(電子版)は、その計画実現に向けて日本政府が技術担当者や運転士の訓練を含めた支援の提供に前向きだと報じた上で、こう紹介している。
「(日本の)新幹線は高い安全性が売りで、50年間、運行中の事故による死者は1人も出ていない」
さらにマレーシアのマレー・メイル紙(電子版)は今年2月、「弾丸列車 日本の新幹線の経験とマレーシアの将来」と題した論評記事を掲載している。
それによると、「クアラルンプールとシンガポールを結ぶ高速鉄道の成功がもたらす2つの国の変化は、まさに過去50年で日本で起きたことそのものだ」と指摘。東海道新幹線が経済大国となった戦後日本のサクセスストーリーのカギと位置づけ、「都市間の移動時間を短くすることは、景観のみならず、政治や経済、社会状況などを一変させる。マレーシア政府の高所得国の仲間入りをさせるという野望の実現に近づく」などと論じた。
タイ・英字紙ネイション「暫定政権は新幹線の技術で高速鉄道網構築に意欲」
日本と中国は現在、東南アジアや北・中南米など世界各地で計画される高速鉄道建設の受注をめぐり、しのぎを削っている。
タイの英字紙ネイション(電子版)は、2月に訪日したタイ暫定政権のプラユット首相が、安倍晋三首相との首脳会談を踏まえ、「わが国に高速鉄道ネットワークが出来れば、低所得者を含む国民の生活が豊かになる」とし、タイ国内に日本の新幹線技術を導入して高速鉄道網を構築することに意欲を示していると報じた。プラユット氏は2月末のテレビ演説で「今年中に具体的な進展」を目指すと表明した。
プラユット氏は日本滞在中、関西経済連合会や大阪商工会議所など関西の経済団体幹部らと大阪市内で懇談するために、東京-新大阪間を東海道新幹線「のぞみ」の最新車両N700Aで移動した。
東京駅構内の商業施設について「参考にするべきだ」などと語り、新大阪駅で降車後には「(新幹線は)素晴らしい」と感想を述べたという。プラユット氏は中国で高速鉄道を利用した経験もあり、「乗り比べ」で新幹線の快適さや安全性を実感した。
一方で暫定政権は、4000億バーツ(約1兆4800億円)を投じて高速鉄道を建設し、中国の鉄道と接続する計画も発表している。
英エコノミスト誌「日本の現代性を象徴している」
英エコノミスト誌(電子版)は昨年6月に「日本の高速鉄道がとてもよい理由」と題した記事を掲載。「列車は日本の現代性を象徴している」と指摘し、日本が高速鉄道の製造・運行面で世界的なリーダーであることの理由を探っている。
英国ではロンドンと主要都市間を結ぶ高速鉄道網が整備され、車両製造を日立製作所が受注。車両が3月12日、英南部サウサンプトン港に陸揚げされた。4月から走行試験を始める予定だという。
記事では、「日本の新幹線は模範として取り上げられ、英政府はその技術を習得したいと願っている」などと指摘。沿線開発を含め、鉄道は日本の経済成長に欠かせないとし、昭和39(1964)年の東海道新幹線開業によって、日本の高度成長が実現し、世界2位の経済力を得ることが可能になったなどとしている。
中国・国際在線「安全性を重視する」
今年1月、米カリフォルニア州がサンフランシスコとロサンゼルスの間で計画する高速鉄道の起工式が同州フレズノで行われた。2029年までに、現在は9時間かかる両都市間を3時間以内で結ぶ路線を開業させるとしている。
ただ、車両や運行システムの入札はこれからで、米メディアが日本や中国、欧州諸国などによる激しい受注競争が繰り広げられると予測している。中国情報サイト・サーチナによると、中国メディアの国際在線は「(受注は)楽観はできない」とし、「(発注者側は)価格面ではなく、安全性を重視する」という業界の内部事情に詳しい人物の話を紹介した。同州は日本同様に地震多発地帯で、地震など災害対策を向上させてきた日本の新幹線技術を念頭に置いたとみられる。
カリフォルニア州といえば関西ともゆかりがある。大阪府が友好交流提携をしており、大阪市とサンフランシスコ市は姉妹都市。3月20日には、日本航空が関空-ロサンゼルス路線を約8年半ぶりに復活就航させた。(2015年3月26日掲載
米ハワイ州のホノルル市は1日までに、道路横断時に歩きながら携帯電話のメールなどを見たり送ったりする「歩きスマホ」を禁じ、初回の違反者には最大35ドル(約3900円)の罰金を科す条例を制定した。10月25日から施行される。米メディアによると、同様の規制は全米主要都市で初の試み。
歩きスマホの危険性は、日本や欧米などで社会問題となっている。ホノルルは日本人にも人気の観光地。
条例は、道路横断時に歩きながら携帯電話やタブレット端末、携帯型ゲーム機などの画面を見ることなどを禁止。警官が見つけた場合、初回は15~35ドルの罰金、1年以内に違反を繰り返した場合は2回目に35~75ドル、3回目は75~99ドルの罰金を科す。
ホノルル市議会が7月初めに条例を可決、コールドウェル市長が同月末に署名し成立した。緊急通報や、歩きながら通話することは禁じていない。(共同)