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中国では2008年8月の北京五輪でも、煤煙などの汚染物質を出す工場を移転させたり、自動車の通行を規制するなどの対策を採ったが、五輪後には以前よりも汚染がひどくなるなど、「一時的で、場当たり的な措置」との批判が出ており、今回も北京五輪と同じことになりそうだ。
APEC首脳会議は11月に予定されており、場所は北京市郊外の懐柔区の風光明媚な観光地である雁棲湖周辺のリゾート施設で開催されることが決まっている。
APECには日米など21か国・地域の首脳が一堂に会することになっており、今年の議長国である中国の最高指導者、習近平国家主席にとっては、日ごろから「中国の夢」とか「偉大なる中華民族」を宣揚しているだけに、自らの政治的な能力や指導力を誇示するには格好の大舞台。それだけに、少しのミスも許されないところだ。
とりわけ、北京を訪れる外国人に不評なのは深刻な大気汚染であり、PM2.5(微小粒子物質)の存在だ。もしアジア太平洋の首脳がPM2.5などで健康を害することがあっては、中国の環境汚染の悪名が改めて世界中に轟くことになる。
同紙によると、習近平主席が「環境汚染対策を厳命した」ため、北京市の環境問題担当の幹部が懐柔区の町村長や工場や企業の責任者を集め、「バーベキューなどは今後、禁止し、爆竹もダメ。工場は煤煙を出さないように、煤煙防止装置を整備する」などの細かい指示を出したという。
さらに、中国政府は北京の大気汚染の元凶となっているのは北京に隣接する河北省の工業地帯だとして、主に鉄鋼生産基地である唐山市や石家荘市などの工場にもAPEC首脳会議が行われる11月には操業をいったん停止するよう通告する予定だという。
ネット上では「北京五輪の二の舞だ。APECが終わった後、これまで以上に大気汚染がひどくなるに違いない」などとの書き込みが目立っている