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ロイター)【拡大】
『中国経済まっさかさま』(アイバス出版)の著者で週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏は、「中国経済がインチキだということが世界的にばれてしまった。金融緩和で一時的なカンフル剤となっても、中国経済の本質は変わらない」とみる。
ロイター通信は、「共産党にとって株価急落の最も厄介な点は、市場を操作しようとしたという事実ではなく、取り組みが効果を上げなかったことが白日の下にさらされたことだ。共産党の経済運営能力の面での威信は国内でも国外でもいたく傷ついた」と報じた。
習政権が対策を打ち出しても中国株が下げ止まらない状況について、豪大手メディアは、巨大な岩を山頂まで運んだ瞬間に岩は転がり落ちてまたやり直しという罰を受けたギリシャ神話の「シジフォスの岩」の逸話にたとえた。そのうえで「神話では罰を受けたのはシジフォス王1人だけだが、習主席は中国の納税者に数百兆円の損害を与えている」と批判した。
習主席について、米国からも憤る声が出始めた。米大統領選の共和党候補の1人でウィスコンシン州知事のスコット・ウォーカー氏は、「米国人が苦しんでいる市場の下落は中国の経済減速による部分があり、その中国経済は操作されている。オバマ大統領は、習主席を招くより、米国の利益を失わせようとする中国に説明責任を取らせるべきだ」と声明を出し、習主席が国賓としての訪米をキャンセルするようオバマ大統領に促した。選挙戦が背景にあるとはいえ、米国内で中国への不信感が高まっていることをうかがわせる。
前出の勝又氏はこう警鐘を鳴らした。
「一党独裁だった旧ソ連では経済危機が直線的に政治危機につながったが、高い成長で国民の信頼をつなぎ止めていた中国でも、経済危機で中国人民の共産党離れや政変など不測の事態が生じる可能性もある」