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負傷した右足首を気にするそぶりも見せず、後半41分まで豪州守備陣とやりあった。センターフォワードを担った大迫は最前線で体を張って起点を作り続けた。「最低限のことはできたかな」。頬が緩んだ。
ピッチに立てたことが奇跡に近かった。7月末に右足首の靱帯(じんたい)を損傷。ケルンのチームドクターから豪州戦出場は「無理」と通告された。あきらめず、トレーナーの助言を受けて早期復帰を実現させた。
敵を背負ってもひるまず、相手守備陣の裏に鋭く抜け出すプレーは負傷の影響を感じさせなかった。「得点を狙っていたので残念。得点で周りを納得させたい」とFWとしての無念を漏らした。
W杯のピッチには“忘れ物”がある。エースとして期待を集めた2014年ブラジルW杯は2試合に先発しながら無得点に終わった。雪辱を果たす舞台はW杯しかない。「借りを返したい」。強い思いが胸にある。
最終予選を通して、27歳は欠かせぬエースに成長した。「あと1年、まだ1年ある。みんなが成長できる」。W杯まで進化の歩みを止めない。(小川寛太)