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時代を見通す日本の基礎情報

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“血の粛清”に 習近平激怒 「中朝戦争」秒読みの恐怖

国際社会に衝撃を与えた北朝鮮の粛清処刑。その背景を探ると、ぞっとするものが見えてくる。ズバリ、金正恩体制はもう持たない。ハードランディングで体制が崩れた場合、北朝鮮と中国の間で「戦争」が現実味を帯びてくるのだ。

 北朝鮮は13日、金正恩第1書記の叔父にあたる張成沢・前国防副委員長を死刑にしたことを発表した。

 理由は「クーデターの企てを白状」など多岐にわたっていたが、異例なのは北朝鮮がそれを公表し、内外に処刑をPRしたことだ。

 韓国の聯合ニュースによれば、公開処刑は金日成政権下で1950年代に行われた朴憲永副首相以来で、恐怖政治を見せつけることによって、体制を強化する狙いがあったとみられている。しかし、これは逆効果で、かえって、金正恩体制の不安定さを内外に露呈することになった。そこで、にわかに浮上してきたのが「金正恩体制の限界」「早期崩壊説」なのである。

「金正恩体制は経済改革と軍備増強という2つのスローガンを掲げてきました。その経済改革を担っていたのが張成沢・前国防副委員長で14カ所の経済特区を選定し、中国企業を誘致してきた。それに対して、反発を強めてきたのが軍部で、経済発展を考えれば、今の北朝鮮軍は3分の2が過剰なのです。そのため、軍部の間では張排除の動きがあって、金体制は対立する勢力の股裂き状態の上に立っていた。どちらかを選択するしかなく、今回の粛清で軍部に乗ったことが明らかになりました。今後は金正恩は軍部の傀儡(かいらい)政権になっていくのでしょうね。そうなった場合、北は核を持っている。中国が絶対に許さないはずで、今後、金体制排除に向けて動き出すと思います」(明大講師で週刊現代編集次長の近藤大介氏)


軍部が権力掌握か/(C)日刊ゲンダイ
張氏が推し進めていた経済改革で、特区に進出していたのは中国企業だ。この路線を否定されたのだから、今後は中朝貿易に重大な影響が出る。それどころか、すでに北朝鮮と中国の国境にある中国・遼寧省丹東市では北朝鮮企業の幹部が本国に呼び戻されるなど、異例の事態が続いていて、北朝鮮軍兵士が警戒態勢を強めるなど緊迫している。それに呼応して、中国の人民解放軍も国境付近に派兵していて、一触即発のムードだ。

■体制崩壊は時間の問題

「今度の処刑と経済改革路線の変更に中国の習近平国家主席が激怒しているのは間違いない。それでも北朝鮮が処刑を公にしたのは、そうしなければ、極度に不安定化した体制が維持できないという判断でしょう。つまり、張一派には、親分はもういない。おまえらの路線は否定された、と宣言すること。軍部には強硬派路線に乗ることを示すこと。さらに中国には核を背景に一歩も引かない姿勢を誇示すること。さあ、これが何をもたらすのか。中朝戦争は本当に秒読みになってきたと思います」(近藤大介氏)

 朝鮮半島が火の海になれば、日本も「対岸の火事」と傍観するわけにはいかなくなる

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