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時代を見通す日本の基礎情報

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「日中友好」「日韓友好」はファンタジー 適切な策は“無視”

韓国は経済がデフレ化し、中国はバブル崩壊、環境汚染、そして民族問題という「三大危機」を解決できないまま、2013年が終わりに近づいてきた。

 IMF(国際通貨基金)は現在、世界銀行とともに韓国の金融セクターについてストレステストを行っている。近々、結果が発表される予定になっているが、結果次第では突然、韓国からのキャピタルフライト(資本逃避)が発生する可能性もゼロではない。

 資本蓄積が不足している韓国は、常に「通貨危機」を念頭において政権を運営しなければならない。韓国政府が中国や資源国との通貨スワップを拡大しているのは、明らかに将来的な通貨暴落を見越している。

 中国の習近平政権を最もおびえさせているのは、バブル崩壊でも民族問題でもなく、環境汚染であろう。何しろ、共産党独裁政権はバブル崩壊後の失業者の暴動や、局地的な民族紛争については、個別に「暴力」で弾圧することができる。ところが、環境汚染は富裕層から貧困層まで、居住する全人民が悪影響を被るのだ。

 何しろ、北京などは締め切ったマンションの中ですらマスクが必要な状況なのである。環境汚染を解決できない習近平政権に対する人民不満が高まると、共産党の権威が揺らぐ。そこにバブル崩壊が襲いかかってきた場合、まさしく「ガスタンクに火をつけた」ありさまになるだろう。

 ところで、日本には未だに「日中友好」だの「日韓友好」だの、今後、数百年くらいは実現できそうにもないファンタジーを信じている論者が少なくない。
彼らは中韓経済の調子が悪くなると、途端に「日本経済は中国や韓国に依存している。他人事ではない」などと、嘘八百を語り、印象操作を図ってくる。この手のレトリックにだまされてはいけない。

 日本の国民経済は、別に中国や韓国への輸出入に依存しているわけではない。図の通り、割合で言うと、対中輸出が対GDP比2・4%、対中輸入が同3・2%、対韓輸出が同1%、対韓輸入が0・7%程度に過ぎないのだ。

 わが国の経済が低迷しているのは、長期のデフレーションに苦しめられているためで、別に「対中国、対韓国の関係が悪くなったから」でも何でもないのである。

 そもそも、隣国同士で「友好関係」が成立することは滅多にない。さらに、今や中国企業や韓国企業は日本企業の「競合」なのだ。特に、中韓両国という「競合」と「友好関係」を築こうとしたところで、日本側が一方的に損をするだけの話だ。

 過去の「日中友好」「日韓友好」は、日本に何の国益ももたらさなかった。今後の中国、韓国に対する接し方は、パッシング(無視)が最も適切なのである。



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