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時代を見通す日本の基礎情報

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慰安婦決議すでに6カ国・地域、根拠は河野談話と首相の謝罪

米国や国連人権委員会の報告書などでは、慰安婦募集の強制性を認めた1993(平成5)年の河野洋平官房長官談話を背景に、慰安婦の境遇を「性奴隷」と一方的に「事実」として決め付け、それが独り歩きしている。

 ■日本の謝罪を歓迎

 これまでに慰安婦問題に関する何らかの決議を行った外国議会は6カ国・地域に及ぶ。最初は2007年7月に決議した米下院で、同年にオランダ下院、カナダ下院、欧州連合(EU)議会が続いた。08年には韓国国会と台湾の立法院(国会に相当)も決議した。

 一連の流れを作った米下院の決議は、河野談話が「日本政府の心からのおわびと反省を表明した」と指摘。その上で「日本政府の高官などが最近、談話を希薄化、または撤回しようとする願望を表明している」と牽(けん)制(せい)するなど、河野談話をよりどころにしている。

 決議文の提出者である日系のマイク・ホンダ下院議員は07年2月に日本のテレビ番組に出演し、慰安婦の強制連行説に疑問を示されるとこう反論した。

 「官房長官談話が出て、首相が謝っている」

 同年12月のEU議会の決議は、米下院とカナダ下院の決議を踏まえたことを明記し、こう主張している。

 「慰安婦に関する河野談話と1995年の村山富市首相談話、ならびに慰安婦システムの被害者を含む戦争被害者への謝罪を表明した95年と2005年の日本の国会決議を歓迎する」

 ■国連報告書も利用

 国連の場でも、河野談話は日本の国際イメージを毀(き)損(そん)し続けている。

 96年、国連人権委員会にクマラスワミ特別報告官が提出した報告書は、慰安婦を強制連行された「性奴隷」と決め付け、日本政府に慰安婦の募集に当たった者の処罰を求めるデタラメな内容だった。
2年後に国連人権委に提出されたマクドガル特別報告官の報告書は、クマラスワミ報告書を下敷きとしながら表現をさらにエスカレートさせた。慰安所を「強(ごう)姦(かん)所」と書き、「人道に対する罪および戦争犯罪は公訴時効の対象ではない」と訴えている。

 ■命令書ないと河野氏

 「慰安婦の募集は、官憲等が直接これに加担したこともあった」「募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた」

 河野談話はこう指摘し、官憲、つまり役所や警察などの役人が直接的、強制的に慰安婦募集を実施したと「認定」した。クマラスワミ報告書の結論の根拠も、官憲等が直接加担したと河野談話が「認定」したことにあるとされる。

 ところが実際は、河野氏自身が次のように明かしている。

 「女性が強制的に連行されたかは、文書、書類ではなかった。本人の意思のいかんにかかわらず連れてこい、というような命令書は存在しなかった」(平成9年の自民党勉強会での講演)

 ただ、強制連行を示す政府資料が国内外で一切見つかっていないという説明では、「元慰安婦の名誉回復のため強制を認めてほしい」との韓国側の要請に応えられない。そこで韓国で元慰安婦16人の聞き取り調査を行い、その証言をもとに強制性を認めたのが河野談話だ。だが、肝心要の聞き取り調査は極めてずさんな内容だった。

 河野談話によって、日本は許されることのない冤(えん)罪(ざい)を押しつけられようとしている

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