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時代を見通す日本の基礎情報

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グローバル化の中、日本でマイノリティの起業が発展していくのは必然

日韓関係がかつてないほど険悪化し、ヘイトデモや実態のない「在日特権」という言葉がひとり歩きする昨今だが、一方で、ビジネスの世界では在日コリアンの起業家・実業家の活躍が加速化している。そこにはパチンコや芸能といったステレオタイプな職種はない。

 しかし、マイノリティがビジネスの世界で成功する例は、なにも日本における在日コリアンの例だけではない。

 移民のビジネスに詳しい徳島大学の准教授・樋口直人氏は語る。

「マイノリティは、マジョリティと真正面から衝突しても勝てない。就職などの経済活動では差別、偏見などのディスアドバンテージも多い。そのため隙間産業に従事したり、コミュニティ内の供給を満たすニッチ産業を志向する傾向があります。その産業が、定住国の変化やマイノリティの主体的なアクションにより、ビジネスチャンスに変化する場合があります」

 樋口氏によると、日本の街頭でもお馴染みのドネルケバブが、欧州では大規模のエスニック・ビジネスとして発展を遂げているという。同食文化を持ち込んだのはトルコ系移民だ。樋口氏は日本国内にも多くのエスニック・ビジネスが存在していると指摘する。

「終戦直後に成長したエスニック・ビジネスといえば、パチンコ、加工食品産業などがあり、マルハン、ロッテ、日清(台湾系)がその代表例。その他にも、老華僑の『三把刀(縫製、理髪、料理)』は有名ですし、老印僑の繊維や電化製品、真珠・ダイヤモンド貿易(ジャイナ教徒)がエスニック・ビジネスとして日本に存在していた。一方、ニューカマーで最大の起業移民は、パキスタン、バングラディッシュ系。彼らは90年代以降、ハラール食品とイスラム圏への中古車販売でビジネスを拡大しました。近年では、中国系留学生が日本でソフト開発会社を起業するパターンも増えている。ペルー料理が新しいエスニック・ビジネスを確立するする動きもあります」

 人口移動の少ない日本にもグローバル化の波が押し寄せている昨今、在日コリアン以外のエスニック・ビジネスが日本で隆盛を極めるのかもしれない

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