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NTTドコモが、米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」を販売する見通しとなった。確実にそのあおりを食うのが、同じドコモから出ている韓国サムスン電子の「ギャラクシー」だ。“ドコモiPhone”にユーザーを根こそぎ奪われることも予想される。
アップルは日本時間11日未明に米国本社で発表会を開き、iPhone5の後継機種を発表する予定だが、ここでドコモ参入が発表される見通し。すでにiPhoneを扱うau(KDDI)やソフトバンクと並び、早ければ20日にも大手3社がそろって新機種を発売する可能性もある。
「出る出る」と言われて久しかった“ドコモiPhone”。「販売台数など厳しい条件が課せられる」(通信担当アナリスト)とされ、発売を見送っていたドコモだが、「番号持ち運び制度(MNP)」の利用で、2012年度は過去最悪の140万件の転出超過と独り負けに。顧客流出を食い止めるためにもiPhone導入の決断を迫られていた。
予兆はいくつもあった。ドコモは今年の夏商戦で、ソニーとサムスンを主力機種とする「ツートップ戦略」を打ちだした。さらに冬商戦ではサムスンを主力から外すと伝えられ、iPhone導入への地ならしとの観測もあった。
ドコモの副社長は8月、産経新聞の取材に「ドコモ側の態勢は整った。いつ出すかが問題だ」と発言。また、一部のドコモショップとスマホラウンジが11日に臨時休業することもiPhone導入の準備かと憶測を呼んでいた。
ドコモが切り札を出すことで、立場が危うくなるのは、当初は“iPhoneキラー”としてドコモが投入したサムスンのギャラクシーだ。
「iPhoneが出ないのでやむをえずサムスンを選んだドコモユーザーは少なくない。日本メーカーの機種はお財布機能や防水など独自性を打ち出せるが、ギャラクシーからiPhoneへの乗り換えが相次ぐのではないか」(ITジャーナリスト)
アップルと世界でシェア争いと法廷闘争を展開するサムスンだが、日本市場では窮地に追い込まれそうだ