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歴史認識問題」はなぜ繰り返されるのか。橋下徹・大阪市長が言及した慰安婦問題に限らず、南京事件、尖閣・竹島領有問題などでこれまで日本はいつも歴史を捏造する「悪者」にされてきた。しかし現実は全く逆で、中国、韓国は日本を批判するために自国の歴史教育を嘘と作り話で固めてきた。中国、韓国の歴史認識について、画期的な日本史研究でも知られる作家の井沢元彦氏が考察する。
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なぜ中国、韓国は歴史を捏造するのかそれについて一言で答えるならば、中韓両国はそれぞれ国内に深刻な問題を抱えており、その問題に対する国民の不満をそらすために日本を悪者に仕立て上げスケープゴートにしている。そして、そのために歴史を歪曲捏造しているということだろう。
まず中国は、その政府が共産党による一党独裁体制という前近代的な政府であることに最大の原因がある。この時代遅れの権力に何とかしてしがみつこうとしている、少数のエリートである中国共産党員にとって、20世紀最大のショックであったのがソビエト連邦の崩壊(1991年)であったろう。
中華人民共和国にとって先輩でもある共産主義国家ソビエト連邦の崩壊は、中国共産党にとって近い将来の滅亡を感じさせるものであった。そこで中国共産党政府は国民の不満をそらすために大胆に資本主義を取り入れることにした。
資本主義とは経済における自由主義のことだが、経済だけは自由にさせ政治はあくまで共産党が握るという根本的に矛盾した政策を採用したのである。香港がイギリスから中国に返還された時も「本土化」しなかったのはそのためである。
しかしいかに経済だけとはいえ国民が自由の味を知った以上、その不満は一党独裁の中国共産党へ向かう。政治も自由化すべきだということだ。もちろん共産主義のままでいいという保守的な国民もいるのだが、そうした国民は経済自由化の波に乗り遅れ窮乏化した。
経済的平等を国是とするはずの共産主義国家なのに、一方でとびきりの金持ちがいて、電気もない村に住んでいる農民もいる、というトンデモナイ国家に中国は変貌してしまった。国民の不満は募るばかりである。
そこで中国は日本という「お人好し国家」を徹底的に悪者に仕立て上げ、国民の不満をそらす政策をますます強化した。ますますというのは、この政策はまだ経済的不平等が深刻化する以前から、日本嫌いの、そして時代遅れの共産主義が正しいと確信する指導者江沢民によって進められていたからだ。「日本は未だに中国侵略をもくろんでいる」などという反日教育はもう20年以上前から始まっている。
ところが村山富市元首相や河野洋平元衆議院議長のような「お人好し政治家」はその間「日中友好」を唱える中国側の言いなりになって、巨額のODA(政府開発援助)等野放図な援助を進めてきた