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時代を見通す日本の基礎情報

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中国のアフリカ投資、10年で7.5兆円 新植民地主義と批判も

中国の対アフリカ支援は2000年からの約10年で総額750億ドル(約7兆5千億円)に達することが、米研究機関の調査で分かった。貪欲な進出ぶりにアフリカ域内からも「新植民地主義」との批判が噴出するなか、日本は6月1日から3日まで横浜市で開かれる第5回アフリカ開発会議(TICADV)の場を通じ、支援を着実に進めてアフリカの経済成長を安定軌道に乗せるとアピールする方針だ。

 中国は2000年、対話枠組み「中国・アフリカ協力フォーラム」を立ち上げ、首脳らが毎年アフリカ諸国を訪れて援助を加速。習近平国家主席が3月の就任後初の外遊でアフリカを訪れ、「3年間で200億ドル(約2兆円)を融資する」と約束したように、アフリカ訪問の際に“土産”を携えていくのが常だ。しかし、投資の詳細は機密扱いともいわれ、全容を知るのは難しかった。

 開発援助に関する情報を収集する米国の研究機関「エイドデータ」は、2年半かけて中国のアフリカ支援の実態を洗い出した。その結果、中国は00年から11年までの間に、アフリカ50カ国で約1700件のプロジェクトを支援していたことが判明。諸説あった投資総額は、750億ドルに達することが明らかになった
昨年の日本の政府開発援助(ODA)実績は105億ドル(外務省)。単純には比較できないが、中国は日本のODA全額を7年分、積み上げた額を対アフリカ支援に投じた計算になる。

 この調査によると、予想に反して中国が関わる鉱物資源採掘は少なく、交通やエネルギー分野が大部分を占める。医療や教育、文化事業にも多額の資金を投入していた。また、1963年から医療スタッフをアフリカに派遣。そのつながりを利用して、近年は中国で製造した薬剤を売り込んでいるとされる。

 ヤンゾン・ファン米外交問題評議会グローバルヘルス担当シニア・フェローは英紙ガーディアンに対し、「経済的利益と政治的影響力拡大の必要性、国際イメージの改善が、中国をアフリカでの医療支援に動かしている」と指摘している。

 中国は支援に“ひも”を付けていないと主張している。しかし実際には将来の利益を見据え、巨額支援で各国首脳の歓心を買い、浸透する構図が浮かぶ。

 今月25日、エチオピアの首都アディスアベバで開かれたアフリカ連合(AU)創設50年を祝う特別会合に、習氏の特別代表として汪洋副首相が出席した。中国外務省の洪磊報道官は「アジア国家の代表として習主席の祝辞を読み上げた」と強調、太いパイプをアピールした。

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