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■焼きブタに、歪むアスファルト
国営新華社通信によると、福建省福州市で8月5日、その事故は起きた。食肉加工工場に運ばれる途中だったブタを積んだトラックが路上で横転。檻(おり)から計12頭が逃げ出した。ブタは捕獲しようとする運転手から必死に逃げたものの、それより前に暑さにやられた。4頭が熱中症になったほか、1頭は猛烈に熱くなったアスファルトの路面に倒れ込み、“鉄板焼き”に。焼けたような状態になったという。
暑さによる事件はこれだけではなかった。
とくに福州市は中国気象局が国内で最も暑い都市にあげられるほどで、連日、猛暑が続いたとされる。同市では8月6日には路上に「公共交通車」と書かれた文字の一部が変形しているのが見つかった。高温でやわらかくなったアスファルト上を車両が通ったため、轍ができたとみられる
人民日報(電子版)によると、江蘇省無錫市にある交差点付近で7月18日、路面のアスファルトが波打ったように変形。連日の高温と大型トラックなどの往来で轍(わだち)ができたためだ。インターネット上では「宇宙人のパフォーマンスアート」と呼ばれ、話題となった。
停車中の車両から自然発火するケースは日常茶飯事。真偽のほどは定かではないが、浙江省内の高速道路の看板からも自然発火したとされる。人民日報によると、浙江省寧波市では連日40度を超え、熱中症で倒れた70歳代の老人が路面で2時間程度、横になったところ、やけどを負った。地表面の温度は70度を超える個所もあったという。
車に乗っても、路上に降りてもいけない。ただでさえ危険だらけの中国だが、夏の中国はさらに危険が増すのだ。
■大量発生する藻…異様な海水浴場
連日40度を超える猛暑が続き、死者も出ている中国だが、海でもおかしな現象が起きている。
山東省青島市では海岸に大量の藻が発生。一面緑色の藻の中をかき分けて泳ぐ人や、まるで全身緑色の毛皮でも着ているかのようになった男性らが、海水浴を楽しんでいる。とにかく異様な光景だ。
近年、沿岸部では大量の藻の発生は起きており、青島では2008年に発生。北京五輪の際はセーリング会場になっていたため、大量のボランティアで除去しなければならなかった。
米メディアなどの報道では、今年は6月上旬から増え始め、当局側が7千トンを除去。しかし結局、海面が3万平方キロメートルも覆われたといい、08年時の2倍以上にもなった。
米CNNは中国当局側は異常に高い海面温度が発生の原因としているが、別のメディアは、沿岸で行われているノリの養殖で集まってくる藻が押し寄せた可能性や、近くの農場などからの排水に含まれる肥料の影響などとする見方も示している。
ただ、こんな海でなぜ海水浴をしたくなるのかが分からない。
■地下鉄もスーパーも“マイクーラー”
8月は日本でも猛暑が続き、高知・四万十市では4日連続40度を記録した。関西でも猛暑日が続いた。暑さで、おかしくなったのか、コンビニなどの冷蔵庫に入る「悪ふざけ写真」を短文投稿サイトなど掲載するケースが多発。関西でも京都府向日市のコンビニでは7月23日、客の男が店内のアイスクリーム用冷凍庫に入り込み、その姿を撮影。短文投稿サイト「ツイッター」に写真が投稿された。
中国でも、暑さに参った市民たちがクーラーの効いた地下鉄を占拠したり、スーパーで昼寝をしたりと、やりたい放題だそうだ。公共心が薄く、どこでも寝られる中国人だけに、そのうちスーパーの冷蔵庫を、自らの家のように占拠して寝床としているかも…。