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「中国では食品をめぐる驚くようなニュースが毎日のように報じられます。春には殺鼠剤で殺した鼠の死肉を羊肉と偽って路上で安く販売し、その肉を食べた男性が中毒症状で北京の病院に運ばれました。青いマンゴーの上にホルモン剤をばら撒いて黄色にしたり、ピータンに工業用の硫酸銅を使った業者が検挙されるなど、食の汚染はますます悪化しています」
これは日本人にとって対岸の火事ではない。『女性セブン』が作成した中国汚染食品最新違反リスト(後述)は、今年3月以降、食品衛生法違反が見つかった中国産輸入品のうち、違反品名と違反毒性物質を抜き出したものだ。
冷凍食品を中心に茶類、豆類など、食卓におなじみの品目が並ぶリストからは、中国食品が抱える“闇”の深さがうかがえる。『食の安全はこう守る』(新日本出版社)の著者でジャーナリストの小倉正行さんはこう指摘する。
「本誌リストで目立つ毒性物質は大腸菌ですが、これは食品の衛生状態を表す指標です。工場のトイレで手を洗わずに作業するなど、食品の取り扱いがきわめて不衛生だった場合に検出されます。
ピーナッツ類から検出されたアフラトキシンはカビ毒であり、“自然界最悪”とされる強い発がん性があります。ダイオキシンよりはるかに強い毒性です」(小倉さん)
烏龍茶から検出されたフィプロニルは殺虫剤の一種で、下痢や嘔吐をもたらす。他にも基準値を超える除草剤や農薬のオンパレードだ。
表に挙げたものは違反が見つかったもの。とはいえ、胸をなで下ろすのはまだ早い。すべてを水際で阻止しているわけではないからだ。小倉さんは、「国の検疫制度はザル」と言い切る。
「国の行う“モニタリング検査”は、輸入品の一部サンプルを抜き出し、残りは流通させたまま検査します。つまり、違反が見つかった時、すでにその食品は市場で販売されており、私たちの胃袋の中ということがあり得るんです。
そもそも日本の検疫検査は輸入食品のうち1割にしか実施しておらず、残り9割の食品はノーチェックで国内に入ってきています。非常に脆弱な検疫体制です」(小倉さん)
現在、中国から日本に輸入される食料は年間400万t、輸入食材の1割以上を占める。うち9割が野放し状態のため、私たちが知らないうちに中国産を口にしている可能性はかなり高い。
以下のリストは、違反毒性物質が検出した中国汚染食品のごく一部だ。
大粒落花生/アフラトキシン(カビ毒)
炒ったスイカの種子/サイクラミン酸(人工甘味料)
炒ったピーナッツ/アフラトキシン(カビ毒)、TBHQ(酸化防止剤)
黒糖ピーナッツ/アフラトキシン(カビ毒)
生鮮ケール/ヘキサクロロベンゼン(殺菌剤)
生鮮ごぼう/パクロブトラゾール(殺菌剤)
烏龍茶/インドキサカルブ(殺虫剤)、フィプロニル(殺虫剤)、プロファム(除草剤)
烏龍茶エキスパウダー/サイクラミン酸(人工甘味料)
トマト茶/二酸化硫黄(漂白剤)
豚肉スライス/サイクラミン酸(人工甘味料)
豚生姜焼きパック/大腸菌群
かもの珍味(麻辣味)/大腸菌群
炭火焼き牛タンスライス/大腸菌群
ボイル刻みたこ/大腸菌群
冷凍切り身がれい(生食用)/大腸菌群
冷凍切り身かれい昆布〆スライス/大腸菌群
冷凍ししゃも味醂干し/大腸菌群
冷凍いか類/細菌
冷凍えだまめ/ジフェノコナゾール(殺虫剤)、大腸菌群
冷凍こまつな/大腸菌 冷凍たまねぎ/細菌
※厚労省「輸入食品等の食品衛生法違反事例」平成25年3~9月分より抜粋