法案は携帯電話の使用が交通事故の原因である疑いがある場合、警察に携帯電話の押収を認めるもの。現在は州上院の委員会での審議を待っている状態だ。同州では携帯電話などにからむ不注意運転による事故に最長禁錮１０年を科す法律が成立しており、提出した議員は「携帯電話の押収で運転者が法律に違反していたかを確認できる」とする。
しかし州民からは「携帯には写真などさまざまな個人情報が保存されており、プライバシーが侵害される」との批判が噴出。また携帯電話の履歴を確認しても事故の瞬間に携帯電話を使っていたかを特定することは難しいことなどから、「プライバシーを侵害するだけで役に立たない法案だ」とも指摘される。

　同州では、２００９年に交通事故を起こした男性と携帯メールをやりとりしていた女性が、「運転者の注意をそらした」として損害賠償を求められたこともある。裁判所は今年８月、「相手が運転中だと知っていれば、メールを送った側も事故の責任を問われる可能性がある」との判断を示したが、こちらにも「路上の看板や通りがかりの美人でも気をそらされることはある」との声が上がっている。（