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現在、中国や韓国の歴史問題による日本攻撃は止むことがない。だが、この歴史問題には、それなりの歴史的な経緯があることを、確認しておくべきである。
本来、歴史問題は教科書検定問題として、日本国内の問題であった。それが中韓両国を巻き込んだ国際問題に発展したのは、1982年の第1次教科書事件からである。この年の高校日本史教科書の検定において「侵略」という表現を「進出」に直されたと、日本のマスコミで報道された。これに対し、中韓両国が抗議をしてきた。
これは結局、完全な誤報だったのだが、当時の宮沢喜一官房長官は反省的な談話を発表した。検定に当たっては近隣諸国の人々の感情に配慮するという「近隣諸国条項」が作られてしまった。
次いで、1986年には第2次教科書事件が起こった。これは前回の事件で危機感を持った保守の人々が作った高校日本教科書に、国内および中国、韓国から「反動的だ」と抗議の声が上がり、当時の中曽根康弘首相の独断で、一旦検定を通ったにもかかわらず、強引にやり直させたのである。
また、前年に中曽根首相は靖国神社への公式参拝を決行したのだが、中国の抗議を受けてこの年から止めてしまった。
90年代になると、慰安婦問題が出現する。この時は宮沢内閣で、首相自ら反省と謝罪に熱心であり、93年に募集の強制性を認めた、河野洋平官房長官談話が出された。
以後、慰安婦問題はアジア女性基金によって、金銭的な補償の措置が図られた。だが、日本人自身が国際的な宣伝活動を行うことによって、世界中に誤った情報が広まり、韓国がそれを徹底的に利用して、現在では解決困難な問題になってしまっている。
歴史問題とは、淵源(えんげん=根源)は東京裁判に発しているが、80年代から中国と韓国によって、東京裁判史観が再構築されて、日本人を精神的に迫害する凶器になっている。それによって彼らは「日本人の自尊心を破壊し、精神的に優位に立つこと」こそが、真の目的であり、歴史問題は単なる口実である。
しかし、細川護煕政権など非自民党政権も含めて、日本の歴代政権は、その精神的ないじめ・迫害という本質を理解できず、「彼らは誤解しているのであり、その誤解は何時か解ける」と、安易な謝罪を繰り返してきた。
いじめに屈すれば屈するほど、相手は増長して、ますますエスカレートする。どこかで勇気を奮って、陰湿ないじめを断ち切らなければならなかったのであるが、それができなかった。
歴史問題において、中韓両国による精神侵略を許してしまった歴代政権の責任は、きちんと究明されなければならない。