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時代を見通す日本の基礎情報

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正男氏暗殺は「愛人の裏切り」か 事実上の第三夫人、殺害を黙認の指摘も

朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏が殺害された事件で、正男氏の愛人とされる美人女性スパイの存在がクローズアップされている。複数の韓国メディアが「事実上の第三夫人」として紹介し、北朝鮮の対韓国工作員だったと報じた。この女性が正男氏殺害を黙認したとの説もある。正男氏は愛人に裏切られ、無残な最期を迎えたのか。金正男氏が2001年に日本で拘束された際にも、同行していたソ・ヨンラン氏(左から2人目)

金正男氏が2001年に日本で拘束された際にも、同行していたソ・ヨンラン氏(左から2人目)【拡大】
 「事実上の第三夫人」とされる女性は2001年、正男氏が別人名義の旅券で日本に入国しようとして成田空港で拘束された際にその姿が確認された。当時の写真を見ると、黒のシャツにベージュのズボンといういで立ちで、サングラスに隠れて表情までは分からないものの、スタイルの良さは十分うかがえる。

 韓国メディアの記事によると、韓国の情報機関は女性の名前を「ソ・ヨンラン」氏と確認。1976年に平壌で生まれ、88年に朝鮮労働党第126連絡所の職員となった。血液型はA型とされている。

 ソ氏は当初、正男氏の警護をしながら動向を北朝鮮に報告する役割だったが、その後、恋愛関係に発展したといい、情報当局者の話として「事実上、正男氏の第三夫人で、マカオに居住する第二夫人や子供たちの世話をする役割も担っていた」と
朝鮮日報(日本語版)は20日、ソ氏について報じた記事で、「一部では、『ソ・ヨンラン氏は以前から平壌(ピョンヤン)と連絡が取れなくなっていた』あるいは『正男氏暗殺計画を知りながら黙認・幇助(ほうじょ)した』という可能性も取り沙汰されている」と指摘している。


 たしかに、愛人として正男氏の近くにいたソ氏なら、正男氏の動きに詳しいはずで、その協力があれば、北朝鮮も正男氏の行動を補足しやすかっただろう。現に正男氏は以前、マレーシアを頻繁に訪れていたが、その後は一時、マレーシアを訪問しなくなっていた。

 聯合ニュースによれば、正男氏は叔父で2013年に粛清された張成沢(チャン・ソンテク)氏のおい、張勇哲(チャン・ヨンチョル)氏が駐マレーシア北朝鮮大使を務めていたころ、マレーシアを定期的に訪れていたという。

 だが、勇哲氏が13年に北朝鮮に呼び戻され、処刑された後は、1年以上マレーシアを訪れず、15年から16年にかけて再び姿を見せたというのだ。正男氏の行動の変化について、北朝鮮がどのように把握したかは、事件の謎を解く一つの鍵となり得る。

 果たして、ソ氏は正男氏の味方だったのか、それとも…。 

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