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時代を見通す日本の基礎情報

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民主揚げ足とり一変? 抑止力の“限界”指摘相次ぐ

新たな安全保障法制をめぐり、民主党の前原誠司、玄葉光一郎両元外相が1日の衆院平和安全法制特別委員会で質問に立ち、法制の必要性を前提に「抑止力の限界」を指摘した。民主党はこれまで自衛隊のリスクを強調する“揚げ足取り”が目立っただけに、与党側からは「ようやく本質的な議論となった」(若手)との声が漏れた。
衆院平和安全法制特別委員会で、質問する民主党の前原誠司氏=1日午前、国会・第1委員室(斎藤良雄撮影)

 この日の特別委では、岸田文雄外相の答弁をめぐり審議中断の原因を作った後藤祐一氏の質問中は自民党側からやじも飛んだが、前原、玄葉両氏の順番になると打って変わって静まりかえった。

 「そういう答弁が続くと、本当に抑止力が向上するのかなという感じがしないでもない」

 玄葉氏がこう苦言を呈したのは、安倍晋三首相が外国領域で武力を行使すべき事態として、中東・ホルムズ海峡での機雷掃海以外は「念頭にない」との答弁を繰り返したことだった。「ホルムズ海峡」ばかりが強調されれば、自衛隊が必要に応じて行動できる幅を狭める懸念があったためとみられる。


民主党は、岡田克也代表が集団的自衛権の行使容認に反対を打ち出すなど党内には否定的な考えが根強い。しかし、前原氏は特別委で「私は一部認める立場だ」と明言。その上で、米国が国際法に違反して北朝鮮を攻撃する事態を取り上げ「地理的に近いがために、極めて危機的な状況に差し迫っているときに、米国に『協力しない』と言い切れるのか」とただした。

 これに首相は「国際法を順守することは当然だ。米国も朝鮮半島のような事態は国際的な理解が必要だ。前原氏は究極の選択としての例を出している」と反論。それでも前原氏は「これを厳格に運用したら、逆に日本の安全保障に対する大きな問題だ」と追及した。

 苛烈な国際情勢を知り得る立場にあった前原、玄葉両氏だけに、反対一辺倒の民主党の戦略に危機感を強めたのか。民主党では長島昭久元防衛副大臣も5月28日、有事に至らない「グレーゾーン事態」対処に関し、同党の領域警備法案を検討するよう提案している。

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