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時代を見通す日本の基礎情報

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中国の人工島、軍事目的明らかに 火砲確認の米政府、軍事筋は「レーダーやミサイルも配備される」

米国防総省のウォーレン報道部長は29日、中国が南シナ海で造成する人工島の1つに火砲を配備したことを明らかにした。人工島が軍事目的で使用され、装備の運用段階に入ったことを裏付けるもので、南シナ海をめぐる情勢は新たな局面に入った。

 火砲の配備については、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が28日、米政府当局者の話として、自走砲2台が確認されたと報道。ウォーレン部長はこの報道を確認し、「いくつかの武器を特定した。人工島の軍事化に米国は反対している」と非難した。

 当局者によると、自走砲2台は米軍の偵察機が撮影した画像を分析した結果、判明した。確認されたのは約1カ月前だった。

 米政府は「(自走砲は)米軍の航空機と艦船に対し、脅威を与えるものではない」(当局者)としながらも、ベトナムが実効支配する島など近隣の島や岩礁が射程に入ると指摘し、脅威認識を高めている。

 ただ、直近の偵察の結果では自走砲を目視できず、移動したか、意図的に隠した形跡があるとしている。

米政府は最近になって、人工島の12カイリ(22キロ)以内で米軍の艦船、偵察機を活動させることを検討し始めるなど、中国への批判と対抗姿勢を強めている。

 その背景の1つに、自走砲の配備が確認されたことがあるとみられる。

 中国はこれまで、人工島を軍事目的ではなく民間利用すると主張し続けてきたが、それが“詭弁(きべん)”であることが証明された形だ。

 米政府は「自走砲を手始めに今後、レーダーや艦船、航空機、ミサイルなどが徐々に配備されていくだろう」(軍事筋)とみている。フィリピン政府が「米国の関与強化」(ガズミン国防相)を求めているのも、焦燥感の裏返しだ。

 オバマ大統領はしかし、一触即発のリスクを伴う米軍機などの12カイリ以内への展開についてはなお、決断していない。中国に対し非難すること以外、打つ手がないのが実情だ。

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