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時代を見通す日本の基礎情報

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韓国直撃“ドコモ・ショック”、iPhone販売開始で「サムスン」凋落の危機的予測

NTTドコモが20日に米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」の新モデルを初めて発売する。これを受け、携帯電話業界では“ドコモショック”が広がっている。なかでも危機感を募らせているのが韓国サムスン電子だろう。営業利益の約3分の2を稼ぎ出す携帯端末部門が伸び悩む中、ドコモとアップルという強力タッグの誕生は脅威となるためだ。サムスンは韓国の国内総生産(GDP)の約2割を占めるだけに、主力のスマホ事業が傾けば、韓国経済全体にとっても大きな打撃となる。

勢いが止まった携帯端末事業

 大阪・難波。40代のビジネスマンは、ドコモショップの前で「少し遅すぎたかもしれませんが、それでもドコモからアイフォーンが発売されるのならば、使ってみたいですね」と声を弾ませた。ドコモ版アイフォーンの登場を心待ちにしていたドコモユーザーは少なくない。

 調査会社などの推計によると、アイフォーンの平成24年度の国内販売台数は1060万台。ソフトバンクが50%強、KDDIが50%弱でほぼ拮抗(きっこう)しており、その中でドコモは500万台前後の販売を目指す方針という。
IT関連調査会社の米IDCは、2013年の世界のスマホ出荷台数は前年比40%増となり、初めて10億台を超えると予測。ドコモによるアイフォーンの販売目標台数は世界全体の1%にも満たず、スマホ世界最大手(シェア約31%)のサムスンにとって脅威の存在とは思えない。

 しかし、家電業界に詳しい関係者は「サムスンは世界中でアップルと熾烈(しれつ)なシェア争いを繰り広げているが、ここにきて携帯端末部門の勢いが落ちている。それだけに日本のトップ通信業者のドコモがアップルと組むことには間違いなく危機感を抱いているはずだ」と指摘。ドコモと蜜月関係にあったサムスンが今回のアイフォーン発売の情報に憤慨したといわれるのも、危機感の表れかもしれない。

韓国紙が報道する「限界説も」

 7月下旬に発表されたサムスンの4~6月期決算によると、連結売上高は前年同期比21%増の57兆4600億ウォン、営業利益は同48%増の9兆5300億ウォンと、いずれも過去最高を更新した。

 だが、利益の約3分の2を占めるといわれる“稼ぎ頭”の携帯端末部門の営業利益は前年同期比52%増加したものの、前期に比べると3.5%減少したという。4~6月期はスマホの新モデル「ギャラクシーS4」の発売と重なり、しかもスマホ市場は右肩上がりを続けているのにもかかわらず、前期比マイナスに陥ったのだ
実際、サムスンは販売促進費を集中投入するドコモの「ツートップ戦略」の一角を占めたものの、ギャラクシーS4は思うように売れず、業界内では「失敗」の烙印(らくいん)を押されている。

 また、朝鮮日報(電子版)によると、サムスンが今年4~6月に発売したタブレット型多機能端末は840万台と、前期の910万台を下回ったという。同端末の販売が前期を下回るのは今回が初めてで、「限界説も」という見出しを掲げている。

歪な韓国経済は崩壊するのか!?

 ドコモ版アイフォーンの登場がサムスンの経営にどのようなマイナス影響を与えるかは不透明だが、「サムスンの携帯端末部門が今後も右肩上がりで伸びていくことは難しいだろう。それは韓国経済の凋落(ちょうらく)にもつながっていく」と前出の関係者は推測する。というのも、サムスンの売上高は韓国全体のGDP、輸出総額の各2割強を占めているためだ。

 1企業のスマホの売れ行きが1国の経済を左右するという歪(いびつ)な状況が続く韓国。ドコモの決断は巡り巡って韓国経済を窮地に追い込むのか…。

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