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中国経済の崩壊懸念が一段と強まっている。最大の懸念要因である地方の債務は340兆円規模に倍増しているとの見方が浮上、国際通貨基金(IMF)は中国のバブルに警告を発し、米ゴールドマン・サックスも約300兆円もの貸し倒れが発生すると試算する。
日本の会計検査院に当たる会計検査署は8月から全国各地に人員を派遣し、調査を実施しており、今月中旬にも調査結果を国務院(政府)に報告する見通し。
国営通信、新華社傘下の中国紙、経済参考報は9月27日、調査に関わった当局者の話として、地方政府の債務規模がこの2年間でほぼ2倍に膨らんだと伝えた。
11年6月に公表された10年末の地方債務は総額10兆7000億元(約170兆円)。これが倍増なら340兆円規模となるが、会計検査署は報道を否定。同紙は自社と会計検査署のウェブサイトに「事実と反する記事だった」と異例の謝罪文を掲載した。だが、政府系シンクタンクの研究員らも地方債務は20兆元以上との見解を表明している。
IMFは7月の報告書で、地方政府が成長を不動産開発に依存しているため住宅が供給過剰となるなど、中国の不動産市場は「ゆがんでおり、バブルの傾向がある」と指摘し、開発のペースを落とすべきだと提言した。
米ゴールドマンも8月、バブル崩壊などの危機が起きれば「影の銀行(シャドーバンキング)」を含む金融部門の貸し倒れが最悪で18兆6000億元(約295兆円)に達するとの試算を発表している。
李克強首相は当初、経済の構造改革路線を打ち出していたが、7月になって景気重視に軌道修正。鉄道などインフラ投資に力を入れ、住宅価格の上昇傾向も強まっている。
こうしたバブルを再加熱させる施策によって経済指標も改善してきたが、9月の製造業の景況感指数は市場の予想を下回るなど息切れの兆しが見えている。
中国経済に詳しい企業文化研究所理事長の勝又壽良氏は「中国経済は輸出も消費もふるわないなか、インフラ投資だけでテコ入れは不可能だ」と話している。