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時代を見通す日本の基礎情報

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慰安婦問題をこじらせる元凶となった「河野談話」の撤廃を求める緊急国民集会

橋下徹・日本維新の会共同代表の慰安婦をめぐる一連の発言に対する評価はともかくとして「いくらなんでもsex slave(性奴隷)は意図的な誤訳だろう」「なぜ日本の事例だけが責められるのか」と感じている読者は多いのではないか。そうした中、橋下発言の是非を検証し、慰安婦問題をこじらせる元凶となった「河野談話」の撤廃を求める緊急国民集会が5月28日、都内で開かれ、女性論者たちも堂々と持論を展開した。熱気に包まれた集会の様子を報告する。(溝上健良)
橋下発言を一斉非難も…韓国世論に一定の効果


元慰安婦をさらしものに…


 集会を主催した「新しい歴史教科書をつくる会」の杉原誠四郎会長は開会あいさつで、平成8年、中学校の歴史教科書に架空の「従軍慰安婦の強制連行」が一斉に載せられたことを契機に翌年、つくる会が結成された経緯に触れ、「橋下発言の核心はあくまでも、慰安婦は各国の軍が活用したのになぜ日本だけが問題として取り上げられなければならないのか、ということだ」と概括。「少なくとも慰安婦/従軍慰安婦/性奴隷の言葉を区別し、その存在・非存在を明確にしておかねばならない」と主張した。

 古くからの産経読者はご存じの通り、戦時中に「従軍看護婦」「従軍記者」は確かに存在していたが、当時「従軍慰安婦」なるものは存在していなかった。これは戦後の造語なのだ。

 杉原氏はさらにこの問題に十分な反論をしてこなかった外務省の不作為にも触れ、「今こそ河野談話の撤廃をなすべき時期。瞬間的ではなく、長く熱い支援をお願いしたい」と呼びかけた。

主張 不当な日本非難に反論を

 集会は20人の論者によるリレートーク方式で行われた。うち女性7人の先頭で壇上に立ったのはジャーナリストの大高未貴氏。今年3月、沖縄・与那国島で行われた「朝鮮人従軍慰安婦慰霊祭」なるものに言及し(この問題の詳細は月刊『正論』6月号に掲載されている)、「フェミニストたちが元慰安婦のおばあちゃんたちを引き回して政治の場でさらしものにしていることこそ女性の人権侵害ではないかと訴え、会場からも「そうだ」と賛同の声が相次いだ。

英霊の汚名をそそぐ使命


 戦後問題ジャーナリストの佐波優子氏は「人間社会の中で屈辱的なものの一つに、行ってもいないことでぬれぎぬを着せられることがある。女性をsex slave(性奴隷)にした、などという罪を着せられていることはもっとも屈辱的なことではないか」と問題提起。「かつて大東亜戦争で日本を守るために戦った兵士の方々がその罪を着せられている。このぬれぎぬは私たちが晴らさなければならない。兵士の方々が私たちの命を守ってくれたように、今度は私たちが兵士の方々の名誉を守っていきたい」と訴えた。

 4月10日に衆院予算委員会で慰安婦問題を含めた教育問題について取り上げ、私立中学校入試のひどさなどを指摘した西川京子衆院議員(自民)も集会に駆けつけ、橋下氏の発言について「大筋として間違ってはいないが、あの人は勉強不足で、中山成彬さん(日本維新の会衆院議員)や私が国会で質問したのを見て『これはいける』と考えて発言したと思う。それで責められたら答えがチグハグで、正直いって不愉快だ」と中途半端さを批判した。


憲法の改正が必要だ


 日本会議東京会員の石塚和子氏は「バッヂを付けた先生方にはぜひ『肉体の防波堤』という小説を読んでいただきたい」と、米軍占領下における慰安施設の実態を知ってほしいと提言した。過去の歴史的な事実がどうであったか、新聞では報じにくい部分もあるが、そんな場面で雑誌が本領を発揮している。特に週刊『FLASH』(6月4日号)は、興味がある方には一読をお勧めしたい。タイトルだけ掲載しておくと「日本で、韓国で、米軍は慰安婦を買い漁った!」「橋下が推薦した沖縄『合法風俗』はいま花盛り」。韓国軍でも朝鮮戦争当時、慰安所があった事実まで紹介しており、圧巻である。他に『週刊新潮』5月30日号、6月6日号も無視できない内容で、読ませる

元鎌倉市議の伊藤玲子氏は日教組と対決してきた経緯を振り返り「国民一人一人がしっかりした国家観を持つことが重要で、東京裁判史観から脱却しなければならない。今、必要なのは国土と国民の生命・財産を守るための安全保障、つまり国防と自主憲法制定、教育の三本柱だ」と、憲法改正の必要性にも言及した。「日本国民は軍隊を持つことの重要性に早く目覚めなければならない。日本は世界に類のない道義国家だ」とも訴えた。

 さらに東京裁判や、現行憲法を制定する際の帝国議会を実際に傍聴し、GHQによる検閲も実体験したフリーライターの舘雅子氏が登壇し「脱・東京裁判史観を果たし、憲法を改正しなければならない」と切り出した。東京裁判では米国人弁護士による良心的な発言もあったものの、その発言が記録されなかった事例を紹介し「つくづく東京裁判のインチキ性が分かった」と述懐。そして「戦後のマスコミに自虐性を植え付けた一番のもとは東京裁判史観で、これが慰安婦の問題にも拉致問題にもつながっている」と指摘した。

主張 避けたい改憲勢力の亀裂

 女性陣の最後に登場したのは「なでしこアクション」代表の山本優美子氏。「慰安婦は“アジアのホロコースト”だとして米ニューヨークのホロコースト記念館に慰安婦の常設展示をつくる計画がある。こんなことが許せますか」と問題提起した。米国の自治体で慰安婦決議が採択される裏で韓国系米国人がロビー活動を展開している事例も紹介し、「今日は皆さん、登壇者の発言を聞いて血圧が上がったことと思うが明日、血圧が下がったら取り組んでほしいことがある。慰安婦決議を出したところにメールなどで抗議文を送れば、およそ50通届けば地元メディアが『日本から抗議殺到』と取り上げる。これを皆さんにお願いしたい。私たち民間でできることをやりましょう」と呼びかけた。

西村発言に相次ぐ援護射撃


 男性陣も負けてはいない。『「反日」の正体』などの著書がある評論家の西村幸祐氏は「慰安婦問題は秦郁彦さんがすでに10年前に『慰安婦問題の終結』という学術論文を書いており、本当は終わっている話だ」と紹介した。しかし韓国の政府も関与して仕掛けられている情報戦に負けており「これを迎撃しなければならない」として「朝日新聞社の前に『従軍慰安婦誕生の地』の記念碑をつくりたい」と提案し、盛大な拍手を浴びた。

 元海上保安官の一色正春氏は「橋下さんの陰に隠れているが、正直な発言をして日本維新の会を除名された西村真悟代議士を救わねば、正直者がバカをみることになってしまう」と駆けつけた動機を説明。攻撃は最大の防御だとして「公開討論の場で、慰安婦問題をつくり出した弁護士や、放置してきた政治家・官僚のウソを暴くべきだ海外に向けても米韓が朝鮮戦争やベトナム戦争の際に何をしたのかを同じテーブルに載せて話し合おう、と呼びかけるべきだ」と訴えた。

中韓はウソにまみれた国 一止羊大

 評論家の黄文雄氏は「橋下市長の発言には100%賛成。西村真悟先生の発言に関しては120%賛成だ」と話し、慰安婦問題に関して「マスコミも政治家も偽善的だ」と批判した。

 


日韓は外交戦争の段階


 元陸自二佐の家村和幸氏は「慰安婦問題の本質は強制連行の有無に尽きるが、強制連行がなかったことについては何年も前に(慰安婦問題を“告発”した)吉田清治という人の書いた本がまったくのウソだったことが明らかになった」、決着済みの話であることを強調した。それでもなお、慰安婦問題そのものが女性の人権侵害だとの声があることに対して「慰安所は女性の人権侵害を守った」と主張。ソ連兵が満州で、韓国兵がベトナムで行ったことこそが女性の人権侵害だとして「そういうことをさせないためにこそ慰安所がつくられた。プロの方が対価を受けて行ったことの何が人権侵害なのか。慰安所で働いた方々に、私は深い敬意を表したい」として、単純に「人権侵害」だと済ませていい話ではないと説明した。

 元航空幕僚長の田母神俊雄氏は「韓国とはいくら議論をしても通じない。経済的な実力行使をすれば慰安婦をめぐる反発も止まるだろう」と提言。元時事通信ソウル特派員の室谷克実氏は韓国人の実態を詳細に紹介し「近著『悪韓論』に詳しく書いたが、許してはいけない国だということをハッキリと申し上げたい」と締めくくった。朝鮮問題研究家の松木国俊氏は「日韓はすでに外交戦争の段階にある」と指摘した(松木氏の論文は月刊『WiLL』7月号に掲載されている)。

 評論家の潮匡人氏は「sex slaveの常識化だけは、わが国として絶対に防がねばならない」と主張。「つくる会」前会長の藤岡信勝氏は「強制連行だったか否かは15年前に決着済みで、慰安婦問題の最大の焦点はsex slaveだったか否か」だとして「本来は外務省が担当すべきだが、歴史的な経緯からもうダメ。『情報省』のような新しい機関をつくって国家予算を投じて、日本の名誉に関わる問題については徹底的に反論すべきだ」と訴えかけた。

 計20人の論者によるリレートークを受けて、集会では現在の慰安婦問題をめぐる日本バッシングについて「このような事態がもたらされた最大の原因は、日本政府が、何一つ証拠がなかったにもかかわらず慰安婦の『強制連行』を認めたかのように読める『河野談話』を平成五年に発表したことにある」として、政府に河野談話の速やかな撤廃を求める決議を満場の拍手で採択した。決議には「日本の慰安婦は代価を払わない『性奴隷』であったとか、『二十世紀最大の人身売買事件』だったとか、明らかに事実無根の言説がばらまかれている」との一節が盛り込まれている。こうした虚言に対しては、官民あげて根気よく反論を続けていく必要があるだろう。

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