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韓国旅客船「セウォル号」沈没事故を機に、韓国では、社会の安全性が問われている。もっとも、事故以前にも安全を軽視した事案は数え切れないほど出ていた。例えば、北朝鮮からとみられる無人機が相次いで発見されたが、国防部門の脆弱さが問題化。その上、韓国軍は壊れたトイレのドアを無人機と誤認する始末で…。さらに、外交機関ではウイルス対策などのサポートが切れた基本ソフト(OS)「ウィンドウズXP」搭載のパソコンが多数切り替えられぬまま使用されているという。非安全大国・韓国では何が起こるか予測不能だ。
無人機発見…実は壊れたトイレのドア
中央日報(電子版)によると、韓国軍は5月14日、韓国・京畿道果川市で、無人機とみられる物体が発見され、出動した。
韓国では今年3月24日、京畿道坡州で墜落した無人機が発見。その後、白●(=領の頁を羽の旧字体に)島、江原道三陟で相次いで発見された。無人機は北朝鮮によるものとされ、青瓦台(大統領府)上空などを飛行し、画像を撮影したとみられている。
5月に見つかった物体は空色で、横1・3メートル、縦0・6メートル。市民からの通報で見つかった。
慌てた軍は詳しい調査を行う前にメディアに速報し、物体を公開したが、調べた結果、物体はガラス繊維強化プラスチック素材で、管内にある警備警戒所の壊れたトイレのドアだと判明した。
軍は確認もせずに慌ててメディア公開したのには“伏線”がある。
今春の無人機をめぐる対応が実に杜撰で、メディア批判にさらされたからだった
素人軍隊
今春の相次ぐ発見の通報は住民や登山客からだった。当局側は把握していなかった。しかも初動捜査はお粗末としか言いようがないものだった。
中央日報(電子版)によると、無人機の存在が明らかになった3月24日、軍関係者は素手で、機体を専門家のところまで運んできた。機体からは約60個もの指紋が確認された。このうち6つは韓国人のものではないとわかったが、残りは軍や警察の関係者がベタベタと触ってつけた。
また専門家に委ねられたとき、機体はすでに分解された状態だったという。いまだに送受信機器の存在の有無も判然としない。
無人機発見の情報が国防長官に届いたのは、無人機発見の9日後といい、いかにも呑気な話だ。
今春に見つかった無人機は180万~200万ウォン(18万~20万円)程度でできるとされる。これに関連し、中央日報は「毎回事後に大騒ぎする韓国軍」と題したコラムの中で、韓国の国防担当者が、北朝鮮の小型無人機を探知するための低高度レーダーを緊急調達するため海外の生産国に向かったと指摘し、こう批判した。
「最高級を購入すれば何でも対応できるかのように国民に知らせるのは、警戒を失敗した責任を免れようとする振る舞いに映る」
確かに、相手方の戦力を冷静に分析し、その上で対処法を考えるのではなく、「最高級」なものを持っていればいいという浅はかな考えにしか思えない。
危険にさらす韓国外交
外交・安全保障は、国民の安全を確保するために絶対に維持しなければならないものだろう。その意味で、韓国外交部の対応も首をかしげざるを得ない
朝鮮日報(電子版)によると、韓国外交部の本部や在外公館にある業務用パソコンが、今年4月9日にサポートが切れたウィンドウズXPを搭載。外交本部の1500台と、在外公館179カ所の3千台で、外交部では来年の上半期に新しいOSを導入するまで、このままの状態が続く。
日本国内でも基本OSは少なくとも全体の約8%にあたる600万台程度がXPのまま残るとみられており、企業機密や個人情報の漏洩につながるサイバー攻撃やウイルス感染への懸念が指摘されている。
韓国外交部に関しても、セキュリティー上の欠陥があった場合の対応ができないほか、外部からのサイバー攻撃でデータの詐取や破壊、改竄などが行われる可能性がある。
また、朝鮮日報によると、専門家は、ネットから隔離されたイランの核施設のネットワークに侵入したコンピュータウイルスの例を挙げて「ネットにつながっていないだけで安全を保障することはできない」と警告している。
外交の基本は情報収集とその分析だ。いかなる理由であれ、それが流出する危険があるのなら、その可能性を消しておくのは当然だ。「反日」行為・発言を発信し続けることに夢中になるあまり、基本をおろそかにした現状とはいえないか。
やるべきことをしなかった「ツケ」
セウォル号沈没事故を受けた国民向け談話の中で、朴槿恵大統領は、組織が機能せず、救助活動が失敗したとして海洋警察解体を宣言した。その上で、こうも述べている。
「国民の生命と安全に責任を負うべき大統領として、国民が体験した苦痛に、心より謝罪する」
「事故に適切に対処できていないことの最終的な責任は大統領である私にある」
世論を煽り、「反日」に夢中になる韓国メディアに煽られ、朴大統領は世界中で「反日」活動を繰り広げてきた。国家の安全をおろそかにし、やるべきことをしておかなかったツケで、自らの首を絞めるのは自明の理だ。