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経済協力開発機構(OECD)閣僚理事会が22日、パリで開かれ、人工知能(AI)の運用で「民主主義的な価値観の尊重」を求める初の勧告を採択した。中国が国民監視の手段としてAIを利用しようとする動きを牽制した。
勧告は、信頼性の高いAI運用に向けた国際的なガイドラインを示すもの。「人間中心の価値観と公平性」「透明性」「安全性」など5原則を提示した。AIの開発者や利用者は「法の支配、人権および民主主義的な価値観」を尊重すべきだと明記。プライバシーやデータ保護の必要性を強調し、AI運用で「人間が最終的な意思決定をする余地を残す」べきだとした。勧告は日米欧、韓国、トルコなどOECD加盟36カ国にブラジルやアルゼンチンなどを加えた計42カ国が署名した。
勧告は、日本政府がAIで策定した「人間中心の基本原則」に沿った内容になった。来月、茨城県つくば市で開かれる主要20カ国・地域(G20)貿易・デジタル経済相会議で論議のたたき台となる。安倍晋三首相は、同会議に続いて来月末、大阪で開かれるG20首脳会議で、AI運用の国際的ルール作りをめざし、議長国として議論を主導したい考えだ。G20参加国の中国やロシアは、OECDに加盟していない。
今回のOECD勧告は2016年、高松市で開かれた先進7カ国(G7)情報通信相会議がAI開発のルール作りの必要性で合意したことが発端となった。